新知事に新田氏 石井氏に6万2701票差 投票率24年ぶり60%超

©株式会社北國新聞社

 任期満了に伴う富山県知事選は25日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人で日本海ガス前社長の新田八朗氏(62)=富山市千石町=が28万5118票を獲得し、無所属で5選を目指した現職の石井隆一氏(74)=同市宝町=に6万2701票差をつけて初当選を果たし、1969年以来となる51年ぶりの保守分裂選挙を制した。無所属新人でNGO「アジア子どもの夢」代表の川渕映子氏(71)=同市森住町=は2万5085票にとどまった。

 コロナ禍の中での初の全県選挙だったが、投票率は過去最低だった前回選の35・34%を大きく上回り、60・67%に上昇した。知事選で投票率が60%を超えたのは衆院選と同日選となった1996年の63・16%以来、24年ぶり。石井氏は自民党県連の推薦を受けており、同党の推薦候補が敗れたのは県内で初めて。

 知事選を巡っては新田、石井両氏が自民党県連に推薦を求めたため県連は所属県議34人全員の意向調査を経て石井氏を推薦候補に決定したが、富山市連支部長で前県議会議長の中川忠昭氏ら4人が県議会最大会派の自民党議員会を離脱して新会派を結成して新田氏の支援に回り、県を二分する激戦を繰り広げた。

 石井氏の高齢多選の是非や新型コロナウイルスの感染拡大防止と疲弊した経済の立て直しをどう両立させるかが争点だった。新田氏は前北海道知事で自民党参院議員の高橋はるみ氏の弟で、民間の経験を生かしたスピード感のある県政運営や経済再生のほか、県と市町村の連携推進本部の設立や起業支援策の充実などを掲げ、県政の刷新を求めた。日本青年会議所(JC)会頭を務めた人脈も生かして幅広く浸透し、浮動票も取り込んだ。

 森雅志富山、上田昌孝滑川の両市長、中川氏ら4県議のほか、富山市議を中心に地方議員の一部も新田氏の支援に回った。富山維新の会の支援も受けた。

 石井氏は自民党県連と一体的な組織選挙を展開し、公明党県本部や国民民主党県連、連合富山からも推薦を受け、4期16年の実績を掲げて県政の継続を訴えた。富山、滑川市を除く13市町村長の支持を受け、自民党の麻生太郎副総理兼財務相や岸田文雄前政調会長らも応援に入ったが、自民分裂の影響で票を十分に取り込めなかった。

 初の女性知事を目指した川渕氏は社民党県連合と共産党県委員会の応援を受け、福祉や医療の充実を訴えたが、保守激突の構図の中で埋没。供託金没収点(有効投票数の10分の1)に届かず、供託金300万円を没収される。

 県選挙管理委員会は28日の選挙会で新田氏の当選を決定し、当選証書を付与する。新田氏の任期は11月9日から4年間。