「くにみ寄りまち」モニターツアー 長崎県雲仙市 旅行商品化目指す

モニターツアーの参加者をもてなした観月会コンサート=雲仙市国見町多比良、旅館観月荘

 長崎県雲仙市国見町多比良と神代の3旅館や商店でつくるまちづくり団体「くにみ寄りまち」(古賀弘志会長、23社)は、両地区に宿泊して雲仙温泉街などに足を延ばすモニターツアー「くにみ昭和ロマンと月の旅」をこのほど3泊4日の日程で開き、京都府や福岡県から観光ガイドら5人が参加した。
 同団体は7月から計3回、アジアエコツーリズムネットワークの高山傑理事長を講師に招いて、持続可能な地域と観光をテーマに勉強会を開催。昭和のたたずまいを残す両地区を新鮮に感じる都会や外国からの客を想定し、モデルツアーを企画した。
 参加者は、大正~昭和に創業した3旅館に16日から1泊ずつ宿泊。初日の夜は多比良の旅館観月荘に集まって観月会を開催。降雨のため旅館内で、地元のシンガー・ソングライター福島真砂さん(58)が月にちなんだオリジナル曲などを披露して、参加者をもてなした。
 2日目は多比良と神代地区の周辺を自転車で散策し、3日目は雲仙温泉街などを巡った。最終日はくにみ寄りまちのメンバーと参加者が意見交換して、締めくくった。
 参加者からは「地域の良さは伝わった。地元の負担を減らしながら、持続可能な旅行商品として作り込めるかが今後の課題」「(SNSで大きな影響力を持つ)インフルエンサーに景観や食を宣伝してもらったり、サイクリングや食べ歩きのマップを作ってはどうか」などの意見が上がった。
 くにみ寄りまちはツアー参加者の感想を参考に、内容を練り直して商品化を目指す。

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