コロナ拡大後、国内初のクルーズ船 長崎県佐世保に寄港

佐世保港に寄港したにっぽん丸=佐世保市

 商船三井客船(東京)のクルーズ船「にっぽん丸」(2万2472トン)が26日、長崎県佐世保市の佐世保港に寄港した。国土交通省によると、新型コロナウイルスの感染拡大後、一般客を乗せた国内クルーズ船の商業運航は全国で初めて。同港には1月以来、9カ月ぶりに寄港した。
 クルーズ船は業界団体が9月に定めた感染症対策の指針に沿って運航。同市は乗客全員のPCR検査や市内で感染が拡大した場合に寄港を取り消すなど、独自の条件を付けて受け入れた。
 JR四国などが旅行商品を企画。25日に愛媛県新居浜港を出港し、佐世保港間を2泊3日で往復する。日本人の旅行客約200人と外国人を含む乗員約200人の計約400人が乗船している。
 26日午前8時ごろ、佐世保港新みなと岸壁に接岸。佐世保市のハウステンボスや九十九島、長崎市の大浦天主堂、佐賀県の嬉野温泉など五つの観光コースがあり、旅行客は大型バスで夕方まで各地を周遊。午後6時ごろ、大勢の市民の見送りを受けながら出港し、新居浜港へ向かった。
 商船三井客船の村上寛常務取締役は報道陣の取材に対し「安全安心の提供がわれわれの使命。対策を理解し、受け入れていただきうれしい」と述べた。朝長則男市長は「どこかで再開しなければ、(クルーズ船事業の)全体が動かない。コロナ収束までは、しっかりとしたガイドラインを守りながらやっていくことが必要だ」と話した。


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