地球温暖化対策に取り組んでいる横浜市の市営バス路線に、電気で走るEV(電気自動車)バスが登場する。同市と熊本大学などが連携した実証実験の一環で、今月28日から来年2月末にかけて、大都市圏で稼働する路線バスとしての実用性を検証する。
市によると、EVバスは従来市が運行しているディーゼルバスを熊本大などの産学官プロジェクトが改造したもので、市販の電気自動車のバッテリーを転用、配置を工夫し現状と同じ74人の乗車定員を確保した。
フル充電に約2時間かかり、航続距離は最大70キロメートル。営業所に戻るタイミングでこまめに充電するという。走行中の二酸化炭素(CO2)排出量は従来の「1キロメートルで1キログラム」から「ゼロ」になる。
これまでは熊本市近郊で実証実験を行ってきたが、大都市圏でのEVバス普及を目指し、利用者や渋滞が多く、坂道もある横浜を選んだ。浅間町営業所(横浜市西区)が所管する横浜駅周辺の路線で1台を運行させる。
27日には市役所で車両披露セレモニーと関係者の試乗体験が行われ、城博俊副市長は「今後も環境に優しいまちづくりに向け、さまざまな施策を進めたい」と話した。