ゲストハウスを「泊まれる図書館」に 経営の学生らコロナ禍で新アイデア

© 株式会社北日本新聞社

泊まれる図書館の実現に向け話し合うスタッフ

 富山大の学生起業家らが昨年10月にオープンした富山市諏訪川原のゲストハウス「寄処(よすが)」が、来月にも泊まれる“図書館”として生まれ変わる。新型コロナウイルス禍を契機に人とのつながりの大切さに目を向け、「本を通じて人と出会える場所」をつくる。(安多萌子)

 寄処は、市内電車の諏訪川原電停前の空き家を活用したゲストハウス。富山大OBの中西祐樹さん(22)と同大経済学部4年の永平章太さん(22)が経営に携わっている。毎月60人ほど国内外の旅行者が滞在していたほか、学生と社会人が意見交換できる交流会を定期的に催すなど、文化や世代を超えた集いの場になっていた。

 しかし、新型コロナの感染が拡大し、4月から7月中旬まで休業を余儀なくされた。売り上げはゼロになり、以前のような交流会も開催できなくなっていた。

 感染収束の見通しが立たない中、宿泊以外の集客法を模索。ゲストハウスに誰でも気軽に立ち寄れる図書館のような空間をつくろうと中西さんが提案した。

 現在、ビジネス書を中心に、幅広いジャンルで千冊を目標に蔵書を集めている。将来の進路を考える学生が多様な価値観に触れられるよう、社会人の愛読書を紹介する本棚も設置する。利用料は大人が1日200円、学生は無料。観光需要の回復を見据えて宿の機能は残しており、豊富な蔵書をゲストハウスの新たなセールスポイントにしたい考えだ。

 図書館スペースは11月にオープンする予定で、学生に協力してもらいながら内部を改装している。今月末までクラウドファンディング(CF)サイト「キャンプファイヤー」で改装資金を募っており、永平さんは「多くの人と一緒に新しい寄処をつくりたい」と呼び掛けている。