農林水産祭・畜産部門天皇杯 松﨑さん夫妻・長崎県小値賀町 肉用牛の繁殖、放牧など評価

農林水産祭の畜産部門で天皇杯に選ばれた松﨑さん夫妻=小値賀町

 農林水産事業者の経営発展意欲向上などを目的とした、第59回農林水産祭(農林水産省、日本農林漁業振興会主催)の畜産部門で、長崎県北松小値賀町前方郷の肉用牛繁殖農家、松﨑秀利さん(64)、弘子さん(58)夫妻が最高位の天皇杯を受賞した。放牧を活用した経営、低コスト・省力化などの取り組みが評価された。
 2019年7月~20年6月に実施された対象表彰行事273件のうち、農林水産大臣賞を受賞した465点から選定。園芸や水産など7部門でそれぞれ天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞を贈った。
 松﨑さん夫妻は今年2月、第49回日本農業賞(全国農業協同組合中央会など主催)の個別経営の部で大賞、農林水産大臣賞に選ばれていた。
 現在86頭を屋外中心で飼育することで牛舎の建設コストや、ふん処理の手間を削減。子牛を生後3日で母牛から離して母牛の産後回復を早め、分娩(ぶんべん)間隔を短縮。分娩室の様子を自宅や出先で確認するため、カメラ映像をスマートフォンで確認できる機能を利用したりしている。
 秀利さんは「試行錯誤しながら、やってきた。賞に恥じないよう今後もまい進し、島の畜産の繁栄につなげたい」と抱負。子牛の世話を主に担当する弘子さんは「実家は非農家で、当初は分からないことが多く大変だった。かわいがるほどに元気に育つ様子を見るのが楽しみ」と語った。
 表彰式は11月23日に都内で開かれる。

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