作家・村上春樹が2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」の映画化が決定、『ハッピーアワー』（2016年）の映画監督・濱口竜介が監督をつとめることが明らかになった。
カンヌという「田舎町」で競った『万引き家族』と『バーニング 劇場版』
世界中に熱狂的ファンを持つ作家・村上春樹が、2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」（短編集「女のいない男たち」に収録）。舞台俳優の主人公・家福（かふく）を苛み続ける、亡き妻との記憶――。計り知れない喪失と仄かな希望を綴った珠玉の名作だ。
日本映画界・若手実力派No.1の呼び声高い濱口竜介は、映画『寝ても覚めても』（2018年）では、2人の同じ顔をした男とその間で揺れ動く女性の歳月を描き、商業映画デビュー作にして第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式選出。さらに、今年の第77回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した黒沢清監督作品『スパイの妻』（2020年）では脚本を担当。その才能は脚本の分野でも遺憾なく発揮され、国際的にも高い評価を得た。
監督自ら映画化を熱望したという本作では、脚本も手がけることが明らかになっている。国内外で高い評価を受ける作家・村上春樹による原作と、気鋭の濱口竜介監督による奇跡のコラボレーションに期待がふくらむ。
『ドライブ・マイ・カー』は2021年全国公開予定。
