今年も最多受賞!アメリカとノーベル賞

アメリカ人受賞者が最多受賞のノーベル賞2020

 今年のノーベル賞受賞者が決定した。その中でアメリカ人の受賞者は平和賞を除く5部門で7人とノーベル賞受賞者(12(組織+人))の中で最も多かった。

 それぞれの部門の受賞者や受賞した内容などはニュースなどでご覧になっているかと思われるので割愛するが、アメリカ人受賞者の数は毎年多い印象だ。実際毎年どの程度アメリカ人受賞者がいるのか気になったので、数を調べてみた。

  歴史を遡ると、1991年にはアメリカ人のノーベル賞受賞者はいなかったが、1992年から2020年の今年までで、なんと29年連続でアメリカ人のノーベル賞受賞者が生まれ、かつ29年連続でその年のノーベル賞受賞者の中でアメリカ人の数が最も多かった。これは驚きの数字だ。

 また、アメリカ人のノーベル賞受賞者がいなかったのはノーベル賞が始まった1901年から現在の2020年の間に26年しかない。そのうち1991年と1948年以外は戦前であり、ここ半世紀以上ほとんどの年でアメリカ人がノーベル賞を受賞している事になる。これもまた驚きの数字だ。 

アメリカとノーベル賞

 アメリカの歴代の受賞者は今年の受賞者を含めて380人で、2位のイギリスの約3倍で、全世界の国の中で最多だ。2020年までのノーベル賞受賞者(組織を含む)は962(組織+人)で、約4割がアメリカ人という計算になる。380人という数字にはアメリカ以外の国籍を持つ受賞者や、受賞時の国籍はアメリカではないが、出生国がアメリカの受賞者も含まれる。

 初めてノーベル賞を受賞したアメリカ人は、1906年にノーベル平和賞を受賞したセオドア・ルーズベルト大統領。ご存知の方も多いだろうが、2014年に物理学賞を受賞した中村修二さん、2008年に物理学賞を受賞した南部さんのように日本出身でアメリカ国籍を取得している方もいる。

 また、1901年にノーベル賞が始まって以来のノーベル賞受賞数が在席、卒業したトップ30大学の中には1位のハーバード大学をはじめ、アメリカの大学が過半数を占める19校入っている。2000年以降のトップ20大学に至っては、15校がアメリカの大学となっており、4分の3を占めている。もちろん、研究体制の充実度や国の規模など様々な理由があるとは思うが、特筆に値することだと思う。

  今年は日本人の受賞がなく、日本ではあまり大きな話題とならなかったノーベル賞。日本人が受賞していないと日本では注目度が薄れてしまうが、1年に1度の大きなニュースとしては気になるところだ。来年は誰が受賞するのかはもちろんのこと、アメリカが30年連続受賞を達成できるか、ノーベル賞受賞者の中でアメリカ人の数が最も多くなるのかどうか、結果が気になるところだ。

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