遠隔医療に関する商材に関心集まる @BioJapan バイオ関連企業と研究者の展示会「BioJapan」

 バイオ関連企業や、大学などの研究機関が出展する展示会「BioJapan」には、共同研究先や協業先を探す企業や大学関係者が集まった。新型コロナの感染拡大を受け利用が拡大した遠隔医療や、未病や病気予防に関する展示が注目を集めていた。

 軽貨物運送業のセルート(東京都新宿区)は、温度管理や特殊資材が必要なメディカル・バイオ領域の物流サービスを展示した。来場者には製薬メーカーが多く、治験薬の国内輸送や試薬の国際輸送に関する相談を受けた。新型コロナの影響により病院に行けない患者の自宅に、直接治験薬を配送するサービスが注目を集めた。「安全性を確保した輸送が求められる、危険性の高い検体や、PCR検査の検体輸送に対する問い合わせもあった」

 繊維業のミツフジ(京都府相楽郡)は、心電図測定器がついたシャツ型のIoTウェアラブルデバイス『hamon』を展示して、商社やメーカーの新規事業担当者や自治体関係者の関心を集めた。新型コロナの影響で急激に広まった遠隔治療や、未病対策として使える点が注目された。「着用者の心電図をリモートで診ることができる。直接肌に装着する心電図と比べても遜色ない。需要を確認することができた」

 ヘルスケアシステムの設計開発を行うメディエイド(東京都千代田区)には、医療機器メーカーが訪れ、個人の健康にかかわるデータを活用したアプリが関心を集めた。日々の患者の健康情報をアプリに蓄積し、医療従事者と共有するサービスだ。「動物病院のドクターから、ペット向けアプリについて相談を受けた。病気のペットは人と同じように薬を飲むので、管理する項目も同じ。ファミリーの枠の中に動物もいることに気づかされた」

 岡山大学のベンチャー企業、ランファム(岡山市)は、正常幹細胞からがん幹細胞を作製し、がん予防や抗がん剤開発につなげる事業を展示した。共同研究先を探す大学関係者や、コンサルタント会社の営業、医薬メーカーとの仲介を提案する企業などが訪れた。通常はがんを発症した人のがん幹細胞から抗がん剤開発を行うので、発症していない人の正常幹細胞からがん幹細胞を作成する技術は珍しいという。

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