「パーソル パ・リーグTV野球動画クリエイター選手権」ファン熱狂のグランプリは?

「パーソル パ・リーグTV野球動画クリエイター選手権」の最終審査に参加した森本稀哲氏【写真:小野寺穂高】

100点超のエントリーの中から9作品がファイナルに 森本稀哲氏らが審査

2020年度のパ・リーグのオフィシャルスポンサーを務めるパーソルホールディングス株式会社は17日、パーソルイノベーション株式会社が運営する「TECH PLAY」と共同開催している「パーソル パ・リーグTV野球動画クリエイター選手権」の最終審査が行われたと発表した。「ファンを熱狂させる野球動画」というテーマのもと寄せられた100を超えるエントリーの中から「パーソル パ・リーグTV」の公式YouTubeチャンネルで10月5日より公開されている9つのファイナリスト作品が審査された。

元プロ野球選手で講演家、野球解説者の森本稀哲氏、映像クリエイターで株式会社inaho代表の伊納達也氏、パシフィックリーグマーケティング株式会社執行役員・メディア事業本部長の佐々木将之氏が審査員として「TECH PLAY SHIBUYA」で最終審査に臨み、その様子が全国にオンラインで配信された。

森本氏が「全部優勝にしたいくらい」というハイレベルな動画が集った最終審査では大接戦の末、エントリーNo.8、武藤貴将さん制作の「【プロ野球2020】特別なシーズン、全力で@パ・リーグ」が見事グランプリに輝いた。また、エントリーNo.5、中島響さん制作の「【熱狂】周東・和田・西川「最速」の男は誰だ?~野球動画クリエイター選手権~」が準グランプリに輝いた。

グランプリを受賞した武藤さんと準グランプリを受賞した中島さんの「熱狂する」動画の見どころと受賞コメントを紹介する。

審査委員を務めた佐々木将之氏、伊納達也氏、森本稀哲氏(左から)【写真:小野寺穂高】

グランプリ作品は「音」を効果的に使い野球への「想い」を表現

○グランプリ エントリーNo.8「【プロ野球2020】特別なシーズン、全力で@パ・リーグ」武藤貴将さん

見事グランプリに輝いた武藤さん。野球が見れることの「ありがたさ」を感じながら、シルバーウィーク、休日を全て返上して制作したそうだ。「10年先から振り返っても、きっと特別なシーズン」をまとめたこの作品には、「音」にこだわりが詰まっている。今季の試合をほぼ全部みたからこそ、視覚的なスーパープレーだけでなく、観客の歓声、実況・解説の方の声という「音」を効果的に用いることで野球に対する「想い」が表現されている。

その「想い」は視聴者にも強く届いた。審査員の森本氏も「映像から野球愛、パ・リーグ魂が伝わってきた」と高く評価。また、佐々木氏も「野球の喜怒哀楽の側面を端的に表している総合点の高い作品」と評し、満場一致のグランプリ受賞となった。武藤さんは、「これからのポートフォリオのようなものができて嬉しい。頑張ってよかった」と喜びをかみしめた。武藤さんには、「2020 パーソル クライマックスシリーズ パ」ペアチケットとパ・リーグ6球団ユニホームセットが贈呈される。

○準グランプリ エントリーNo.5「【熱狂】周東・和田・西川「最速」の男は誰だ?~野球動画クリエイター選手権~」中島響さん

準グランプリに輝いた中島さんは、今年のパ・リーグを象徴すると言っても過言では無い「盗塁」に注目した作品を制作。出場者の中でも群を抜く16万回の再生回数を叩き出したこの作品には、佐々木氏によると「タイトル・サムネイルなどに、試聴回数が伸びうる全ての要素が入っている」そうだ。まだ動画制作を初めて6か月とは思えない卓越した視点や編集技術に、視聴者も息をのんで塁上の攻防に見入ってしまう動画である。走者だけでなく捕手にもフォーカスしているところも見どころだ。

自身もプロの映像クリエイターである審査員の伊納氏は「今年のパ・リーグの面白いところが凝縮されていて、ただの盗塁ではないドラマが詰まっている」と感嘆の声を挙げた。準グランプリ受賞の発表後、中島さんは「コロナ禍で勇気を与えられる動画を制作できたのが嬉しい、今後の人生のターニングポイントになる」と満面の笑みで受賞を喜んだ。中島さんには、パ・リーグ6球団のタオルセットが贈呈される。

審査委員を務めた佐々木将之氏【写真:小野寺穂高】

受賞ならずも魅力的な作品続々…ファイナリスト作品を紹介

今回は僅差で受賞が叶わなかったものの、それぞれの視点から「想い」を伝えた素晴らしいファイナリスト作品の見どころを紹介する。

○エントリーNo.1 「【熱狂し過ぎ注意】すべての瞬間に、ドラマがある」 エンジンフィルム・田畑 泰一郎さん、樋口 慧一さん

ファンが熱狂する“瞬間”の熱量を伝えるために、投球・打撃・捕球・走塁の4つのアクションで選手を切り替えた作品。選手が次々と変わるアクロバティックな演出に“熱狂し過ぎ”注意!

伊納氏「映像作品として素晴らしいクオリティで言うことがないレベル」

○エントリーNo.2 「【ベンチもファンも熱くなる】ホームランパフォーマンス特集」 高巣 雄太さん

パ・リーグファンはもちろんのこと、野球を見ていない人やセ・リーグファンなど全ての人に楽しんでもらえるようにと、「ホームランパフォーマンス」を特集。

森本氏「ホームランパフォーマンスは見ているだけで元気になる。グラシアル選手だけでなく、高谷裕亮選手も入れてくれたのが嬉しい(笑)」

○エントリーNo.3 「PACIFIC LEAGUE 2020」 中川 拓郎さん

実写とCGの組み合わせにこだわった「かっこいい」作品。パーソル パ・リーグTVのYouTubeチャンネルでも「球場で流れていてもおかしくない」というコメントが多数寄せられた。

佐々木氏「(実際にパ・リーグ6球団に携わっている身として)球場で流したいくらいのクオリティだ」

○エントリーNo.4 「『野球が最高だ。』DOCUMENTARY of 2020 PACIFIC LEAGUE」 Shosuke Okiiさん

新型コロナウイルスによって野球を見ることができない苦しみも、野球が帰ってきた喜びも感じた今シーズンをドキュメンタリー仕立てで表現した作品。感動的な展開に心揺さぶられる。

森本氏「今年ならではの動画で心に染み入るものがあった。(無観客で)選手もやはり寂しさを感じた今シーズンであるから、選手の心にも寄り添っている」

○エントリーNo.6 「Baseball with Lo-fi Hiphop」 Y.Jさん

9作品の中で唯一「タテ型」の作品。スマホで見る人が多いなか、現代のニーズにマッチしている。モノクロの映像にHiphopの音楽を重ねるなど野球を「おしゃれ」に楽しめる。

森本氏「この雰囲気の作品は新しくて、夜にウイスキーを片手に持ちながら観たい」

審査委員を務めた伊納達也氏【写真:小野寺穂高】

ベテラン選手にフォーカス、試合の“終わり際”の魅力伝える作品など

○エントリーNo.7 「ベテランの復活を楽しみにしている方々へ向けての動画【内海哲也/T-岡田】」 加瀬 和磨さん

ベテラン2選手にフォーカスした作品。登場選手が2選手のみだからこそより深く感情移入ができる。「自分でもこういう動画を見てみたい、という動画を実際に制作してみた」とは加瀬さんの弁。

佐々木氏「パーソル パ・リーグTVでは、『旬』な選手を取り上げることが多いが、1人の選手を長く取り上げるというファンへの伝え方もやっていかなければいけないと思った」

○エントリーNo.9 「『終わりと始まり』」 ニシイ ユウキさん

野球は最後の1球までわからない。そんな「終わり際」の魅力が詰まった作品。サヨナラのシーン、選手が悔し涙を流すシーンなど、思わず視聴者まで胸が熱くなる。

伊納氏「音楽もエモーショナルで、選手の想いが伝わってくる映像の使い方。胸に刺さる素晴らしい作品」

以上が今回ファイナリストとして最終審査に進んだ9作品。

審査の最後には、佐々木氏が「参加してくださったクリエイターの方と、視聴してくださっている視聴者の皆さんに感謝したい。パーソル パ・リーグTVはまだまだ成長過程。これからも皆さんで一緒に作り上げていきましょう」とまとめた。

また、自身も解説者やYouTuberとして活躍されている森本氏は「『想い』というのはとても大事だなと思った。自分も様々な場面で言葉を伝える仕事をしているから必ずこの経験を生かそうと思った」と、このコンテストを振り返った。

これらの9作品はパーソル パ・リーグTVのYouTubeチャンネルで公開されている。ぜひ今一度作品を見て、シーズン最終盤に向けて思いを高めていってはいかがだろうか。(「パ・リーグ インサイト」小野寺穂高)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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