メッツがストローマンにクオリファイング・オファー提示か

スティーブ・コーエン氏を新オーナーに迎えたメッツは先発投手の補強が急務となっている。現在、チームにはジェイコブ・デグロムとデービッド・ピーターソンの2人しか計算できる先発投手がいないからだ。そんな状況のなかで、メッツが自軍からフリーエージェントとなったマーカス・ストローマンに対して年俸1890万ドルのクオリファイング・オファーを提示するという見方が強まっている。ただし、ストローマンは同オファーを拒否して市場に出る可能性が高いと見られている。

メッツの関係者はストローマンへのクオリファイング・オファーについて言及を避けたが、チーム事情から判断すると、ストローマンへの同オファーの提示は理にかなっていると言える。デグロムとピーターソン以外の先発候補としてはセス・ルーゴやスティーブン・マッツがいるものの、前者はシーズンを通して先発を務めた経験がなく、後者は今季大不振に陥った。メッツが優勝争いに加わるうえで先発投手の補強は必要不可欠だ。

クオリファイング・オファーを受諾された場合、その選手の年俸は1890万ドルとなり、決して安いとは言えない金額である。しかし、多少値が張ったとしてもメッツにとってストローマンは必要な存在であり、同オファーを拒否されて他球団へ流出した場合はドラフトでの補償指名権を得ることもできる。メッツにとって、ストローマンへ同オファーを提示するのは非常に理にかなっている。

もちろん、リスクがないわけではない。ストローマンは2019年にブルージェイズで21試合に先発して防御率2.96をマークし、7月下旬のトレードでメッツに加入。ところが、メッツ移籍後は11先発で防御率3.77と平凡なパフォーマンスに終始した。また、今季は開幕から故障者リスト入りし、フリーエージェントに必要なサービスタイムを得るやいなや、新型コロナウイルスへの懸念を理由として出場辞退を表明。このやり方には多くの批判が集まった。

つまり、ストローマンが最後に一線級の先発投手として活躍した時期からすでに1年半が経過しているのだ。もしストローマンが以前のようなパフォーマンスを取り戻せなければ、年俸1890万ドルは高すぎる買い物となってしまうが、メッツは最終的にどのような判断を下すのだろうか。

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