SC相模原が昇格射程、地元も応援のボルテージ 「J2まで走れ」

チームの勝利を祝う特別メニューに腕を振るうラーメン三浦の店主・三浦康記さん

 サッカーJ3のSC相模原が初のJ2昇格争いを繰り広げている。ホームスタジアムが基準を満たしていないことから取得できていなかったJ2ライセンスを9月に初めて取得したばかり。ホームタウンの相模原市内では、快進撃を続けるチームを後押ししようと応援のボルテージが上がっている。

 10月31日のFC岐阜戦は1対1で引き分け。10試合を残して昇格圏の2位を射程に捉えている。

 クラブ事務所近くの「ラーメン三浦」(相模原市中央区)は25日の試合で2位チームと勝ち点が並んだことを祝って、31日まで通常950円で提供しているラーメン、味付き卵、半チャーハンのセットメニューを500円にした。

 同店は3年前、チームが3連勝したら「サンマーメンを300円引きで販売する」と告知。以来、一度も3連勝はかなわず、サポーターから「サンマーメンの呪い」と言われてきた。

 だが、今季は違う。3日には待望の3連勝を達成し、数多くのサポーターが同店に詰めかけた。4連勝、5連勝とチームが白星街道を突っ走る中でも格安メニューを提供した店主の三浦康記さん(72)は「新型コロナウイルスの影響で沈んだ地域の雰囲気を勝利で盛り上げてほしい」と笑顔をみせる。

 本拠の相模原ギオンスタジアム(同市南区)はJ2ライセンス取得に必要な座席数などの基準を満たしておらず、成績にかかわらず昇格できない状況が長年続いてきた。クラブはJR相模原駅前の新スタジアム建設を目指す構想を提示。建設までの道筋は見通せないものの、特例措置で9月28日にライセンスを取得し、その後、チームは5連勝の快進撃をみせた。

 総合学習の時間に「地域を盛り上げる方法」を学んでいる相模原市立富士見小学校(同市中央区)の6年2組は、SC相模原をクラスを挙げて応援している。10月30日の授業では「疾風迅雷 J2まで突っ走れ」と書いた横断幕を作成。スタジアムに掲げて応援するつもりだ。

 以前、この授業に講師として招かれたのは同校近くのコンビニ「ローソン・スリーエフ相模原富士見町店」オーナーで、長年SC相模原を応援してきた渡辺康弘さん(51)。同店にはSC相模原の特設コーナーがあり、オリジナルのチーム商品、選手のサインなどが並ぶ。

 渡辺さんは「多くの人と一緒に地元チームを応援することで、地域に愛着を持つ人が増えているのではないか。この街にSC相模原があってよかった」と、悲願のJ2昇格に思いをはせる。

© 株式会社神奈川新聞社