西武辻監督、連敗止め逆転CS進出へ闘志 「勝たないといけない重圧あった」

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

好投の松本を5回で降板「投手コーチから言われて、『えっ!?』と思った」

■西武 3-1 ソフトバンク(1日・メットライフ)

パ・リーグ3位で逆転クライマックスシリーズ(CS)進出を目指す西武は1日、本拠地メットライフドームで、既に優勝を決めているソフトバンクを3-1で振り切り、連敗を3で止めた。辻発彦監督は試合後、「毎試合、毎試合崖っぷち。今日は是非とも勝たないといけない重圧があった」とホッと胸をなでおろした。

苦境を、37歳のチーム野手最年長コンビが救った。1点ビハインドの1回、ソフトバンク先発左腕・笠谷に対し、1死から連続四球で得たチャンスに、4番の栗山がカウント2-2からナックルカーブをとらえ、中前へ同点適時打。辻監督を「チームとしてタイムリーがなかなか出ない状態が続いていた中、ここぞという所で、相手の配球を読んで打った。さすが、経験が生きている」とうならせた。

1点をリードして迎えた5回には、無死一、二塁から栗山、スパンジェンバーグが倒れたが、続く中村がしぶとく左翼線へ適時二塁打を放ち、貴重な追加点を奪った。指揮官は「チャンスが途切れそうなところだった。本当に、2人のベテランに助けられた」と最敬礼だ。

一方、守っては、5回65球3安打無四死球1失点と好投していた先発・松本を、あえて降板させ、今季好調のリリーフ陣に託した。6回をドラフト1位ルーキーの宮川、7回を森脇、8回を平良、9回を守護神・増田が担い、計1安打無失点に抑えた。辻監督は「(西口)投手コーチから『6回から宮川でいきます』と言われた時には、『えっ!?』と思ったが、(捕手の)岡田に聞いても、『(松本は)しんどいんじゃないか』と言うので、早めに代えた。今年は後ろのピッチャー(リリーフ陣)がしっかりしてますからね」と明かした。

CS進出圏の2位ロッテへ1.5ゲーム差につけているが、背後からも4位の楽天に1ゲーム差に迫られている状態で、残り7試合。辻監督は「勝ったり負けたりすると思うが、常に前を向き、気持ちを入れ替える。たとえ負けたとしても、次はいくんだという強い気持ちで戦っていきます」と大混戦のシーズン最終盤に臨む覚悟を示した。

この日は31歳の第2捕手の岡田が、4試合ぶりにスタメンでマスクをかぶった。岡田が先発した試合は13勝4敗、驚異的な勝率.765をマーク。数字上では、正捕手の森の場合の.427(35勝47敗3分)を大きく上回っている。辻監督の起用法にも注目が集まりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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