九州高校野球 ミスの怖さ思い知る 長崎日大、宮崎商に敗れる

【1回戦、長崎日大―宮崎商】2回表長崎日大2死、鈴木が投手強襲のチーム初安打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 第147回九州地区高校野球大会第2日は1日、長崎市の県営ビッグNスタジアムと諫早市第1野球場で1回戦残り4試合が行われ、長崎第2代表の長崎日大は宮崎商に1-8の七回コールドで敗れた。
 「一つのミスでこんな結果になる。力を出せずに終わった」。平山監督がこう肩を落としたように“流れ”の大切さを思い知る敗戦になった。22年ぶりのセンバツ出場を目指した長崎日大の挑戦は1試合で幕を下ろした。
 先発右腕の石橋が序盤から苦しんだ。ボールが先行したことで相手が狙いを絞りやすくなり、立て続けにエンドランや適時打を許した。球数は三回までに78球。本来のテンポは影を潜めた。
 逆に相手エースは先制打を含め、自らのバットで4打点。マウンド上でも余裕があった。球速はほとんど130キロ未満の中、低めや内外へ丁寧に出し入れされた。0-5の六回に無死一、二塁の好機を得たが、ここではバント失敗。敵失で1点を返した後、1死一、二塁から連続三振に倒れると、その裏、2死からの与四球と悪送球をきっかけに致命傷を負った。
 残念ではあるが、今後楽しみなチームの一つであることは間違いない。今大会前は同じ代表校で長崎県の決勝で敗れた大崎や昨秋九州4強の創成館に練習試合で胸を借りた。選手はもちろん、2年目の平山監督ら若い指導陣も、実績ある監督に刺激を受けるなど確実に進化の過程にあるといえる。
 今年の主要大会はこれで終了。石橋は仲間への申し訳なさを口にした上で「いかに隙を与えないチームになれるか。毎日を無駄にしない」と前を向いた。県勢で平成最多の甲子園出場を誇る伝統校にとって、試練の冬が始まる。


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