「為替」関連倒産(10月度速報値)

 2020年10月のドル円相場は、米大統領選挙の行方や、欧米での「新型コロナウイルス」再拡大に対して警戒感が強まり、リスク回避的な円高基調に推移した結果、1ドル=104円割れ目前までドル安円高が進んだ。11月3日に行われる米大統領選挙の結果次第では、さらなるドル安が懸念されている。
 東京商工リサーチが7月30日に発表した「東証1部、2部上場メーカー129社の2021年3月期決算想定為替レート調査」では、「新型コロナウイルス」の影響もあり、約7割(89社)が開示していない。また、開示した40社では、1ドル=105円の設定が過半数(21社)を占めた。このため、ドル安円高が進行した場合、多くのメーカーに為替差損が発生する可能性をはらんでいる。
 こうしたなか、10月の「円安」関連倒産(速報値)は、6カ月連続で発生がなかった(前年同月ゼロ)。倒産発生ゼロの連続記録を6カ月に伸ばした。また、「円高」関連倒産(速報値)は、2カ月ぶりに発生がなかった(同ゼロ)。

円安
円高

© 株式会社東京商工リサーチ