追い炊き機能付きの風呂にリフォーム。後付けするには?

「追い炊き機能」は浴槽のお湯を温め直してくれる便利な機能です。自宅のお風呂に追い炊き機能がない方の中には、「浴室をリフォームして追い炊き機能を後付けしたい」と検討中の方もいるでしょう。

追い炊き機能を後付けする際は、配管工事と給湯器(給湯専用)を交換するケースと、給湯器交換のみで後付けするケースがあります。そこで今回は、追い炊き機能のメリットから後付けする方法をピックアップしました。追い炊き機能の種類や、費用の相場などもまとめて紹介します。

追い炊き機能とは

追い炊き機能とは、浴槽のお湯を温め直す機能です。ぬるくなったお湯を給湯器の中に吸い込んで、温め直して再度浴槽に出すことで、全体のお湯の温度を上げます。それでは、追い炊き機能を追加するメリットについて、詳しくチェックしましょう。

追い炊き機能のメリット

追い炊き機能付きのお風呂には、さまざまなメリットがあります。

・数回使えるので節水になる
・お湯を溜めなおす時間がかからない
・家族で入浴時間がずれても大丈夫

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

数回使えるので節水になる

追い炊き機能は、数回にわたってお湯を温め直せるので、節水に効果的です。冷めたお湯を抜いて、新たにお湯をはるという方法もありますが、その場合はお湯が無駄になってしまいます。

水道代やガス代も高くなってしまうので、あまりおすすめできません。一方、追い炊き機能はぬるくなったお湯を再利用して温めるので、水を無駄にせずに済みます。もちろん、保温性の高い浴槽を選べば、何度も温め直す必要もありません。ただし、お湯を翌日に使いまわすのは控えましょう。雑菌の繁殖やぬめりの発生など、衛生的な問題が出てしまうので、温め直すのは当日のお湯だけにとどめてください。

お湯を溜めなおす時間がかからない

追い炊き機能は短時間でお湯を温め直してくれます。一度お湯を抜いて、「お湯はり」をする場合、15分前後はかかってしまいます。追い炊きでも冷め切ってしまった水を温めなおすには時間がかかりますが、ほとんどの場合はぬるくなったお湯を温めなおすことに使います。

ぬるくなったお湯は追い炊き機能を使えばお湯全体が温まるスピードが速いので、早く入浴できます。「帰宅後に入浴したけど、寝る前にもう一度体を温めたい」という場合もサッと入浴できるので、冷え性の方にもぴったり。予約機能が付いている場合、お風呂に入りたい時間に合わせて追い炊きできるのも大きなメリットです。

家族で入浴時間がずれても大丈夫

家族の多い世帯の場合、それぞれ生活スタイルが違うので、全員が同じ時間に入浴することは難しいはず。浴槽のお湯は1.5時間で2度、6時間後には6度下がると言われているので、家族の入浴のタイミングがバラバラだとお湯は適温ではなく、快適とは言えません。しかし、追い炊き機能を使えば、冷めたお湯も温め直せるので、家族一人ひとりの生活リズムを崩すことなく快適に入浴できます。

追い炊き機能を後付けするには

追い炊き機能を追加する方法は4通りあります。

・配管工事と給湯器交換をする
・給湯器交換のみで設置できる場合
・後付けできない場合は浴槽を交換する
・工事が不要な簡易追い炊き機を使う

住宅によって後付け方法が変わるので、自宅に当てはまる方法をチェックしてください。

配管工事と給湯器交換をする必要がある

追い炊きを後付けするには、給湯器の交換に加え配管工事が必要な場合が多い

基本的に、追い炊きをする際は冷めたお湯を給湯器で循環します。そのため、追い炊き機能を後付けする場合は、対応給湯器を設置することに加えて、浴槽と給湯器をつなぐ配管工事が必要です。給湯器は追い炊き機能付きのものを設置して、配管工事の際はお湯の循環に必要な穴をひとつかふたつ作ります。

給湯器交換のみで設置できる場合も

すでに配管工事が終わっている場合や、浴室そのものが追い炊き対応になっている場合は、ガス給湯器本体を交換するだけでOKです。給湯器はタイプによって設置場所が異なります。そのため、給湯器を交換する場合は、自宅の給湯器の設置場所を確認してから、適切な商品を選びましょう。

後付けできない場合は浴槽を交換する必要がある

ほとんどの場合、追い炊き機能は後付けできますが、中には例外もあります。FRPで作られた一般的な浴槽ではなく、人工大理石やコンクリートなどの特殊な素材で作られた浴槽の場合、工事できない可能性も。そんなときは、浴槽ごとユニットバスへ交換する必要があります。

お風呂のリフォームについて詳しくはこちら。
お風呂、浴室、ユニットバスのリフォーム費用相場と値段を安く抑えるコツ、注意点を解説

また、マンションやアパートなどの賃貸物件の場合は、追い炊き機能を後付けできないケースが多いようです。そんなときは、保温シートやお風呂のフタなどの保温グッズを利用して、お湯の温度を保つのがおすすめです。

工事が不要な簡易追い炊き機を使うのもおすすめ

追い炊き機能が後付けできない場合や、費用を抑えたい場合は、「簡易追い炊き機」を使うのがおすすめです。浴槽に入れるだけでお湯の温度を一定に保ってくれる便利な商品です。簡易追い炊き機は大きく2種類に分けられます。

・保温タイプ…電子レンジで本体を温めて浴槽に入れる
・加熱タイプ…ヒーター本体を浴槽に入れて加熱する

どちらも簡単に使用できるので、初めて購入する方にもおすすめです。ただ、簡易追い炊き機は漏電や空炊きに配慮しなければならないというデメリットもあります。商品を選ぶ際は、セーフティ機能が付いたものを選びましょう。

追い炊き機能の種類

追い炊き機能とひと口に言っても、さまざまな種類があります。

・オートとフルオート
・ポンプ循環式
・自然循環式

ここでは、それぞれの種類の使用方法や特徴を説明します。

オートとフルオート

追い炊き機能には「オート(自動)」と「フルート(全自動)」があります。どちらも自動式であるのは同じですが、「どの範囲まで自動でやってくれるのか」という部分が違います。

オートでは、追い炊きや決まった量の足し湯、温度が設定可能です。一方、フルオートの場合は、オートでできる機能のほかに、湯量の不足を察知したら自動で適量の足し湯をしたり、お湯を捨てるときに配管内を洗浄するなど、快適性に優れているのが特徴です。「最低限の機能があればOK」という方はオート、「快適さを優先したい」という方はフルオートを選びましょう。

ポンプ循環式

最近ではひとつ穴のポンプ循環式が主流

ポンプ循環式の追い炊き機能は、浴槽にあるお湯をポンプで給湯器に送り温めるタイプです。「強制循環式」とも呼ばれています。ポンプ循環式は浴槽の穴がひとつだけなので、浴槽のお湯を吸い込むときも、給湯器で温めたお湯を排出するときも、同じ穴で行います。お湯の温度を一定にしやすく、汚れがそこまで溜まらないのが大きなメリットです。

自然循環式

自然循環式の追い炊き機能は、浴槽からお湯を取り入れる穴と、給湯器で温めたお湯を排出する穴、ふたつの穴を使ってお湯を循環させるタイプです。冷めたお湯は下の穴から自然に給湯器に入り込み、温まったお湯は上の穴から排出されるのです。温度差を利用して循環させることから「自然循環式」と呼ばれます。近年はひとつ穴タイプのポンプ循環式の方が主流なので、自然循環式の追い炊きは減少しています。

追い炊き機能を後付けするリフォーム費用の相場

追い炊き機能を後付けする際の、リフォーム工事の費用は、工事の内容や給湯器、浴槽のタイプによって異なります。

追い炊き機能後付けの工事費の目安は、安くて20万~30万前後、高くて100万円前後です。もちろん、配管が長い場合や、浴槽と給湯器を高価なものにした場合は費用が高くなるケースもあります。費用を抑えたい場合は簡易追い炊き機を買ったり、保温グッズを使ったりしましょう。

リフォーム業者へ見積もりを依頼する

具体的な費用や自宅に合った工事内容を知りたい場合は、リフォーム業者へ見積もりを依頼しましょう。電話やメールで無料相談を実施しているリフォーム業者もあるので、余計な費用をかけることなく見積もりを依頼できます。

ただ、リフォーム業者やお風呂・建物の状況によって費用や工事内容は異なります。費用を最小限に抑えたい場合は、複数のリフォーム業者に相談して、安いところを選ぶのが得策です。

マンションで炊き機能を後付けしたい場合

マンションでも追い炊き機能を後付けできる可能性があります。リフォーム会社に施工を依頼する前に、しておくべきことや注意点をチェックしていきましょう。

管理組合に必ず相談する

分譲マンションの場合は、必ず管理会社に許可を取りましょう。マンションによっては、追い炊き機能の後付けができないケースもあります。また、配管工事では、マンションの壁に穴をあける作業があるので、どちらにせよ事前に許可を取ることが必要です。

賃貸の場合はまず不動産屋・大家に相談する

マンション・アパートなどの賃貸物件の場合は、まず不動産屋や大家に相談しましょう。ハウスメーカーによる賃貸の場合は、追い炊き機能の後付けができないケースが多いので、その場合は、追い炊き機能付きのお風呂のある賃貸住宅へ引っ越すのを検討した方が無難です。

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