希望の花火、夜空彩る 平塚の有志が“極秘”打ち上げ150発

新型コロナウイルスで苦しむ平塚の人々に希望を届けようと“秘密”で行われた花火の打ち上げ=ひらつかタマ三郎漁港

 新型コロナウイルスの影響で苦しむ地元市民や事業者らを勇気づけようと、事前告知のない花火の打ち上げが10月31日、ひらつかタマ三郎漁港(平塚新港、神奈川県平塚市千石河岸)で行われた。地元事業者の有志が企画し、平塚の夜空を彩る大輪がコロナ禍の収束を祈った。

 市内では今年70回目の節目を迎えるはずだった夏の「湘南ひらつか花火大会」や「湘南ひらつか七夕まつり」が中止。6月には全国の花火業者らが一斉に花火を打ち上げて話題となったが、「平塚に花火がないのはさみしかった。七夕まつりを通して地域貢献に参加する場もなくなった」と市内で美容室を経営する冨吉裕一さん(39)。

 冨吉さんらが市内事業者に呼び掛け「夢叶(かなう)ひらつか実行委員会」を結成。約30社からの協賛を受けて今回の「きぼうの花火」にこぎ着けた。

 人の密集を避けるために秘密裏に準備し、午後8時から約10分間に150発の花火を次々と打ち上げた。実行委員長として“夢”の実現に奔走した冨吉さんは「シークレットだったけど、近隣から子どもたちの笑い声も聞こえてきてホッとした。ワンチームで協力し合えてよかった」と振り返った。

© 株式会社神奈川新聞社