『ストックホルム・ケース』思わず恋する、イーサン・ホーク演じる強盗犯!

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 俳優のイーサン・ホークが、映画『ブルーに生まれついて』でタッグを組んだ、ロバート・パドローと再び組んだクライムサスペンス。皆さんは、「ストックホルム症候群」って聞いたことがありますか? これは誘拐や監禁事件の被害者が、犯人と時間を過ごすことによって犯人に対して特別な感情を抱いてしまう状態を表す心理学用語です。本作は、この用語が生まれるきっかけとなった強盗事件を映画化。イーサンは心根の優しい強盗犯、人質の銀行員ビアンカを『ミレニアム』のノオミ・ラパスが演じています。

 親友を刑務所から逃がすためにストックホルムの銀行に強盗に入ったラース。ビアンカを含む3人を人質に取り、人質と交換に金と逃走車を要求しますが、要求に応えようとしない政府サイドと武力行使に出ようとする警察を前に事態はこう着状態となってしまい、すぐに解放されると思い込んでいた人質のビアンカたちも、次第に政府や警官への反感を強め、ラースたちとの不思議な連帯感が芽生え始めていきます。

 それにしても人質である自分たちを一向に助けてくれない警察は腹立たしいし、貧困社会によって犯罪を犯さざるを得なかったラースの生い立ちを知れば、そりゃ好きになっちゃう。しかもイーサン・ホーク、かっこよすぎ! クライムアクションとしてはもちろんですが、強盗と人質の禁断ロマンスをドキドキしながら楽しんでしまいました。★★★★☆(森田真帆)

11月6日から全国公開

監督:ロバート・パドロー

出演:イーサン・ホーク、ノオミ・ラパス、マーク・ストロング

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