ポイント投資の「投資先選び」はどうする? ポイントを使った運用先選びのコツ

ポイント投資は買い物などで貯まったポイントを運用できるサービス。値下がりしてもポイントは減っても自分のお金が減ることはありません。とはいえ、せっかく投資するなら、ちゃんと増やしたいですよね。

今回は、ポイント投資の「投資先選び」について紹介します。ポイント投資だけでなく、お金を使った投資にも役立ちますよ。


ポイント投資で投資のネガティブなイメージを取り除こう

買い物などで貯まったポイントで投資できる「ポイント投資サービス」が注目されています。楽天ポイント、Tポイント、dポイント、Pontaポイント……多くの系列店で貯まる「4大ポイント」をはじめ、さまざまなポイントでポイント投資サービスが用意されています。「投資にお金を払うのはちょっと」という方でも、ポイント投資なら基本的にお金を使わずに投資が可能(お金を使って投資できるサービスもあります)。うまくいけば、お金やポイントを増やすことができます。

とはいえ、投資に対して「ギャンブル」「値動きが怖い」「お金持ちがするもの」というネガティブなイメージを持っている方が、少なくないようです。

「ギャンブル」と思うのは、投資を経験したことがなく、単に運の要素で「増えた・減った」の二択の世界で見ているからです。確かに、やろうと思えばギャンブルのような投資もできます。しかも、ギャンブルのような投資は派手です。投資をしていない人は、そうした投資で儲けて喜んでいる人と損して落ち込んでいる人を見て、「やっぱり投資はギャンブルなんだ」と思ってしまいます。

しかし、株式・債券・投資信託などの金融商品は、いずれも世界や日本の成長を応援するためのものです。成長を応援しながら、自分もその恩恵を受けることができるこれらは、ギャンブルではなく立派な投資です。

「値動きが怖い」と感じるのは、お金を失いたくないからです。筆者自身も損はしたくありません。しかし、リスクとリターンはトレードオフの関係にあります。ある程度は損(の可能性)を受け入れていかないと、お金は増えないのです。預貯金でお金がほとんど増えないのは、リスクが限りなくゼロに近いからです。

投資でお金を増やしていくには、値動きと上手く付き合う必要があります。これを学ぶには、自分で投資行動をするのが一番です。

そして「お金持ちがするもの」と感じてしまうのは、投資が100円と少額できることやポイントで投資できるサービスがあることを知らないからです。ポイント投資では、たとえば数百ポイントで、本物の株式を1株買うということもできます。また、サービスによっては1ポイントからでも投資することができます。たとえ今お金がなくても、これから十分参加できますね。

このような特徴を考えると、ポイント投資は投資に対するネガティブなイメージを払拭し、値動きに慣れるのに最適な投資だといえます。自分のお金だとなかなか手を出しにくい、投資に回すお金の余裕がないという方も、ぜひ取り組んでいただければと思います。

もし、ポイント投資で投資デビューをするのならば、まずは細かいことは気にせず、好きな資産や銘柄に投資することをおすすめします。目的は、投資資産がどのような値動きをするのかを体験することです。投資先はどこでも結構です。実際に売買してみて、ポイントが増減したり、資産額が増減したりする様子を実際に確かめてみましょう。

銀行預金では半年に1度利息が支払われています(わずかな金額ですが)。それに比べて、投資では、銀行預金より増えることもありますし、ときには減ることもあります。そうした値動きの様子は、特に投資が初めての方には新鮮に映るでしょう。

ポイントで運用する資産はどう選ぶ?

ポイント投資で投資できる資産には、投資信託・株式・FX・仮想通貨などがあります。

■投資信託
投資信託は、運用担当者が投資家から集めたお金を運用してくれる商品です。投資信託は、1本で数十本から数百本もの株式・債券・不動産などに投資しています。ですから、1本買えばそれだけでたくさんの商品を買うのと同じような効果が得られます。多くのポイント投資のサービスで扱っています。

投資信託には、大きく「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類があります。

インデックス型は、株価などの指数と同じような値動きを目指す投資信託です。たとえば日本株であればTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価などと同じような動きをします。
対するアクティブ型は、そうした指数の値動きを上回ることを目指す投資信託です。運用担当者が個別の会社を分析したり、市場を分析したりして、有望な会社、業種や国などを選んで投資しています。
このほかに、たとえば「日本と海外の株」「株と債券」などと、複数の資産に1本でまとめて投資できる投資信託を「バランス型」といいます。

お金を失う可能性を減らし、コツコツとお金を増やしたいならば、信託報酬が安い投資信託の「インデックス型」や「バランス型」が候補に。こういった商品に長期で投資し、定期的に積み立てていけば、ドルコスト平均法(定期的に定額ずつ購入する方法。安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わないため、平均購入単価を下げられる)も味方にできます。

■株式
株式投資は、事業に必要なお金を集めるために会社が発行する株を売買してお金を稼ぐことです。株式投資も、多くのポイント投資サービスですることができます。
株式は、買ったときより値上がりしてから売れば、値上がりした金額分が売却益となります。また、儲けの分け前である配当金や、プレゼントのような株主優待がもらえることもあるのですが、通常は100株単位で持っていないともらえません。

先に説明した投資信託より、値動きは大きくなりがちです。儲かる可能性も損する可能性も大きくなります。

銘柄を選ぶヒントは、実は身近にあるものです。ここでは3つ紹介します。

(1)生活を快適で楽しいモノにしているか
身近な商品を、消費者目線でチェックしてみましょう。生活を快適で楽しいものにする商品、役に立つ商品・サービスは、いつの時代も変わらずに売れ続けます。そうした商品・サービスを販売している企業の業績は伸び、株価もアップしていく期待ができます。

(2)10年後、20年後も必要であり続けているか
たとえば、世界の人口は2030年には85億人、2050年には97億人、2100年には109億人と、よほどのことがない限り増え続けるとみられています。人口が増えていくとどんな問題・可能性が出てくるのか。一例ですが、食料問題や電力需要の増大などがあります。また、日本を含め世界的に高齢化が進んで行きますが、シニアが求める商品・サービスの業界は「健康」「美容」「医療」「介護」などでしょう。

こうした長期的な潮流から必要な商品・サービス、業界を想像してみるのがおすすめです。

(3)圧倒的な競争優位性があるか(会社ならではの強みがあるか)
圧倒的な競争優位性があるかどうかは、参入障壁が高いかどうかにもよってきます。たとえば、特許を取得していて他社が真似できないとか、商品・サービスのシェアが高く今後もニーズが高まると長期的な潮流から予想できるとか、顧客数が多くマーケティング網が整っている(マーケティングコストが低い)とか、そうした強みがある会社は、今後も成長していくことができるでしょう。参入障壁を高めるには企業買収、研究開発、設備投資、人材投資を積極的に行うことでも作っていけるもの。米国のGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)はすでに世界的な大企業ですが、さらに拡大するために企業買収を行い、研究開発・設備投資・人材投資にお金をかけていますよね。

仮想通貨もポイントで

■FX・仮想通貨
Tポイントを利用してFXや仮想通貨に投資することができます(FXはネオモバ、仮想通貨はbitFlyerで投資可能)
FXは、異なる2つの通貨をやりとりして、為替レートの変動を利用して利益を狙う投資です。また、仮想通貨も同様に、仮想通貨の値動きを利用して利益を狙います。

FXなら、米ドル/円の取引を5円(5ポイント)からすることが可能。また仮想通貨でも、Tポイントを100ポイントからビットコインという仮想通貨に交換できます。

FXや仮想通貨は、投資信託や株式よりもさらに値動きが激しくなりがちです。もちろん、うまくいけば大きく利益が得られるのですが、思惑に反した場合は投資したポイントをすべて失ってしまう可能性もあります。すでに資産をある程度築いていて、チャレンジしてみたいというときに利用するといいでしょう。


以上、ポイント投資の「投資先選び」の考え方を紹介してきました。しかし実は、ポイント投資だからといって、投資先選びの考え方は変わりません。ポイント投資に慣れ、「もっと投資してみたい」となったら、今度は自分のお金を出して、より本格的にチャレンジしてみましょう。

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