名捕手の後継者として期待されるカージナルスの有望株・ヘレーラ

カージナルスが次代の正捕手候補として期待する有望株イバン・ヘレーラはヤディアー・モリーナ、バスター・ポージー、サルバドール・ペレスに憧れながらパナマで育った。プレーするときはいつも彼らの真似をし、それ以外の時間は彼らとチームメイトになることがどんなものかを想像した。もしこのうちの誰かに会えたらどんな会話をするかを考えたりもした。だから、カージナルスから契約のオファーがあったとき、マーリンズからも声が掛かっていたが、契約を決断するのに長い時間はかからなかった。

ヘレーラは「僕がカージナルスを選んだのは、毎年勝ち越している球団であるということと、いつかメジャーリーガーになってヤディアー・モリーナと一緒にプレーし、彼から学びたいと思ったからだ」と語る。「モリーナの存在は僕がカージナルスを選んだ大きな理由だよ」とカージナルスとの契約を決断した理由を明らかにした。

2016年7月2日に契約金20万ドルでサインしたヘレーラは現在、球団別のプロスペクト・ランキングでカージナルスの4位にランクインしている。来季はAA級でプレーすることが予想されるが、モリーナと一緒にプレーするという目標を達成できるかどうかは今オフのモリーナの去就次第だ(モリーナは今オフ、キャリア初のフリーエージェントとなった)。もしモリーナが他球団と契約した場合、アンドリュー・キズナーが正捕手となり、ヘレーラの目標は叶わないだろう。

とはいえ、ヘレーラの目標は部分的には達成されている。夏季キャンプではモリーナの姿を見て、できる限り多くのことを吸収しようとした。レギュラーシーズンが開幕してマイナーキャンプ地へ移動したあとも、自身のメンターでありヒーローでもあるモリーナと連絡を取り合おうと努力した。

「ほぼ毎日(モリーナと)一緒にトレーニングをしたし、彼はたくさんのアドバイスをくれた」とヘレーラ。「そのアドバイスは今後のキャリアにおいて大いに役立つと思う。基本的なことからメンタルの部分まで、たくさんのことを学ぶことができた。ディフェンスの基本についてもたくさんの話をした」とモリーナと過ごした時間はヘレーラにとってかけがえのない財産となっている。

「打撃先行型の捕手」として注目を集めたヘレーラにとって、守備力の向上はメジャー昇格に向けての大きなポイントとなる。マイナー通算打率.309、昨オフに参加したアリゾナ秋季リーグでも打率.324と打撃面では着実に結果を残しており、守備力の向上が進めばメジャー昇格の日はグッと近付くはずだ。

ここ最近のヘレーラは、早起きして朝8時までジムで2時間のトレーニングを行い、打撃練習と守備練習を日常的に行っているほか、週に2度のペースでスローイングの練習にも取り組んでいるという。2021年シーズンの開幕に向けて、より完成度の高い選手になるために努力を続けている。

「2020年は多くのメジャーリーガーやマイナーリーガーにとって大変な1年だった。つらかったけど、その経験から何かポジティブなものを得なければならない。僕はこの1年でたくさんのことを学ぶことができた。これからもポジティブにやっていくよ」とヘレーラ。20歳の有望株の目はすでに来季以降の戦いを見据えている。

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