
新型コロナウイルス感染症の影響で修学旅行に行けなくなった6年生を応援しようと、厚木市立北小学校(山田淳司校長、同市山際)は5日夜、校庭で花火大会を開く。観客は6年生の児童限定で、学校とPTA、地域住民らが費用を出し合い、子どもたちの思い出に残る花火を打ち上げる。
同市教育委員会では今夏、全市立小中学校の宿泊を伴う修学旅行の取りやめを決定。涙ぐんで残念がる児童の姿を見た山田校長が、「なんとか元気づけたい」と花火大会を発案したという。
花火を打ち上げるのは、市内の花火業者「ファイアート神奈川」。当初見込んだ費用10万円のうち、学校の予算で確保できたのは4万円だったが、PTAの大野貢市会長が「PTAから5万円出そう」と協力。さらに、大きな音が迷惑になるかもしれないと説明に訪れた近隣自治会からも「それは良いことだ」と支援を受け、計22万円まで増えた。
密を避けるため、当日学校に来るのは6年生だけ。昼間は修学旅行先の日光で体験するはずだった益子焼の絵付けを行い、午後6時からは星空観察会と“肝試し”気分の学校探検がスタート。花火大会は同7時半から始まり、2号玉の打ち上げ花火や仕掛け花火など約50発が約3~4分間、学校周辺の夜を彩る。
打ち上げ準備を進める同社の和田順社長は「期待に応えられるよう頑張る」と意気込んでおり、山田校長は「一番の思い出になる修学旅行には行けないが、地域の人たちから花火の応援を受け取って、これからも充実した学校生活を送ってほしい」と願いを込める。