コロナ収束願って「下に~、下に~」 神奈川・箱根町で大名行列 

箱根関所や旧街道などを巡った「奉納・箱根大名行列」=箱根町

 新型コロナウイルス感染症の収束や、箱根観光業の回復を願う「奉納・箱根大名行列」が3日、箱根神社(箱根町元箱根)など町内各所で披露された。箱根湯本観光協会の主催。

 「箱根大名行列」は1935年に始まり、今年で67回目を迎える予定だったが、新型コロナの影響で中止に。行列規模を10分の1以下に縮小し、ルートを限定するなど感染予防策を講じた上で新しいイベントとして名称も変え、開催した。

 今回、「毛槍(けやり)」や「挟み箱」などの役職に扮(ふん)したのは箱根大名行列保存会の会員ら14人。箱根神社本殿で祈祷(きとう)を受け、箱根の安寧や疫病退散を願ったほか、「下に~、下に~」と声を上げながら境内や旧街道、箱根関所を練り歩いた。

 茨城県つくば市から夫や友人らと4人で訪れた会社員の宮内希(のぞみ)さん(29)は、「神社の風景と江戸時代の衣装が合っており、まるでタイムスリップしたみたい」と笑顔で話していた。

 同保存会の田中康久会長は「困難な状況の中でも、伝統をつなぐことができて良かった。箱根の魅力を改めて感じてもらえたら」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社