FA市場で「不作」の三塁手 ブライアントとアレナードに注目

アンソニー・レンドン(エンゼルス)、ジョシュ・ドナルドソン(ツインズ)、マイク・ムスターカス(レッズ)がフリーエージェントとなった昨オフに比べ、今オフのフリーエージェント市場では三塁手の人材不足が目立っている。ジャスティン・ターナーはドジャースとの再契約が有力視されており、それに続くのはジェッド・ジョーコ、エリック・ソガード、トッド・フレイジャーといった顔ぶれだ。よって、三塁手の補強を目指す球団はトレード市場に目を向けると見られている。

三塁手の補強が必要であると言われているのは、ブレーブス、ブルージェイズ、ナショナルズ、タイガースなど。これらの球団は、フリーエージェント市場だけでなくトレード市場での三塁手の補強も検討するに違いない。そのトレード市場で注目を集める存在になると見られているのがクリス・ブライアント(カブス)とノーラン・アレナード(ロッキーズ)だ。

アレナードは2026年までの8年契約を結んでいるが、来季終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を有している。よって、ロッキーズは「フリーエージェントまで残り1年」の選手と同等の扱いをする可能性がある。一方、ブライアントは来季終了後にフリーエージェントとなる。よって、両者とも今オフ中に放出される可能性があると見られている。

「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者によると、カブスは来季の年俸総額を大幅に削減したいと考えているという。今季の年俸が1860万ドルだったブライアントの放出に成功すれば、その目標の達成に大きく近付くことができる。ブライアントは昨オフ、フリーエージェントを遅らせるために意図的にメジャーデビューを遅らされたことをめぐって球団と争っており、球団との関係が良好でないこともトレードでの放出を後押しする。

しかし、今オフは新型コロナウイルスの影響もあって年俸総額の削減を目指している球団が多く、高額年俸選手を放出する際には足元を見られる可能性が高い。ブライアントは高額年俸に加えて、34試合で打率.206、4本塁打、11打点、OPS.644という自己最悪のシーズンを過ごしており、カブスが期待するほどの対価は確実に得られない。カブスが対価を高望みすれば、昨オフのようにトレードは成立せず、ブライアントは来季もカブスの一員としてプレーすることになるだろう。

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