ニューヨーク2球団によるリアルミュート争奪戦が勃発か

フィリーズからフリーエージェントとなったJ・T・リアルミュートは、今オフのフリーエージェント市場における最大の注目選手の1人である。トップ・プロスペクトのシクスト・サンチェスを放出してまでリアルミュートを獲得したフィリーズが再契約を目指しているほか、スティーブ・コーエンを新オーナーに迎えて豊富な資金を有するメッツもリアルミュートの獲得を目指している。「MLBネットワーク・ラジオ」のスティーブ・フィリップスによると、ここにヤンキースも加わり、ニューヨーク2球団による争奪戦が勃発する可能性もあるようだ。

今オフのフリーエージェント市場において、リアルミュートの次に有力な捕手として挙げられているのはヤディアー・モリーナやジェームス・マッキャン。つまり、一線級の捕手の獲得を目指す球団にとって、獲得候補はリアルミュートの一択という状況なのだ。

フィリーズのジョン・ミドルトン・オーナーはトップ・プロスペクトを放出してまで獲得したリアルミュートとの再契約を望んでいるものの、コロナ禍のなかでどれくらいの資金をリアルミュートに投入できるか不透明な状況。メッツを移籍先の最有力候補に挙げる声は非常に多い。

その一方、ヤンキースがリアルミュート獲得に動く可能性を指摘する声もある。前出のフィリップスのほか、「ジ・アスレチック」のジム・ボウデンもリアルミュートが最もフィットするチームとしてヤンキースの名前を挙げている。

ヤンキースは正捕手ゲーリー・サンチェスをあと2年保有できるものの、依然として守備難を克服できないだけでなく、今季は49試合で打率.147、10本塁打、24打点、64三振、OPS.618という深刻な打撃不振に苦しんだ。シーズン終盤からポストシーズンにかけての戦いでは、控え捕手のカイル・ヒガシオカに正捕手の座を明け渡す有り様だった。

こうした事情もあり、ヤンキースがサンチェスをトレードで放出したうえでリアルミュートを獲得する可能性が取り沙汰されている。ニューヨーク2球団は球界ナンバーワン捕手を巡って火花を散らすことになるのだろうか。

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