指針値超の物質も「健康に影響なし」 神奈川県の異臭分析結果

異臭の調査で用いられる機器(資料写真)

 神奈川県内各地で異臭の通報が相次いでいる問題で、県は4日、横須賀、三浦両市内で採取した大気の詳細な分析結果(確報値)を発表した。いずれもガソリンに含まれる物質が検出されたほか、国の指針値を上回る物質が検出された日もあった。発生源の特定には至っていない。

 県は異臭の通報を受けて10月14、15、26日に横須賀市内、同24日に三浦市内で採取した大気を県環境科学センター(平塚市)で分析。いずれもイソペンタンやブタンなどガソリンに含まれる物質が検出された。

 26日に採取した大気は、平常時の約90~200倍の濃度で、有害大気汚染物質のベンゼンの濃度は環境基準値の4倍超だった。アクリル繊維の主原料などになるアクリロニトリルは国の指針値をわずかに上回った。ガス臭が多い中、24日採取の大気は硫黄臭で濃度も総じて低いため、性質が異なる可能性があるという。

 県は「いずれも異臭を感じたのは短時間であることから、ただちに健康に影響を及ぼす恐れはないと考えられる」と説明している。

© 株式会社神奈川新聞社