諫干請求異議差し戻し審 漁業者側が和解協議開始求め上申書 福岡高裁に

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門確定判決を巡り、開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟差し戻し審の進行協議が4日、福岡高裁(岩木宰裁判長)であった。漁業者側弁護団は同日、紛争の早期解決に向けた和解協議の開始を求める上申書を同高裁に提出した。
 進行協議は非公開。漁業者側は、2月の差し戻し審開始時にも同様の上申書を提出。2回目の今回、2月以降、複数の研究者グループが同事業を巡る調査を開始している状況などを指摘。「紛争解決を求める社会的な要請が大きくなっている」とし、適切な時期に和解を勧告するよう求めた。
 終了後、馬奈木昭雄団長は「国が主張する諫早湾近傍部の漁獲量がフェイクであることを次回の弁論(12月7日)で反論する。双方の主張が出そろうであろう次々回(2月19日)に和解勧告するかが焦点になる」と述べた。

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