ベビーブーマー老人は黙れ!「OK、ブーマー」グッズ、若者に人気爆発

 アメリカではミレニアルやZ世代が、ベビーブーム世代を揶揄する「OKブーマー(boomer)」というスラングがSNSの「TikTok」で大ブレイク。ニュージーランド議会で若手女性議員が、自分にヤジを飛ばした年配議員に一言、「OK、ブーマー」と言い放って黙らせた映像がSNSで世界に拡散されたことも手伝い、「OK BOOMER」グッズの人気が爆発中だ。

「自分は逃げ切れる」と考える年配者の意見は、もう聞かない!

 2019年11月5日、ニュージーランド議会で25歳のクロエ・スウォーブリック議員が、2050年までに二酸化炭素排出量ゼロをめざす気候変動問題関連法案を支持するスピーチをした。同議員が、「多くの指導者が何十年も前から、これから起きることを知りながら黙っていた方が政治的に都合がいいとしてきた。でも私の世代、そしてその後に続く世代にそんな余裕はない。私は2050年になっても、まだ56歳だ」と、年配議員やリーダーたちの行動を非難したときに、ヤジを飛ばしてきた年配議員がいた。それに対してスワーブリック議員は、「OK、ブーマー(boomer)」とたった一言で黙らせ、スピーチを続けた。その様子を映した映像がたちまちSNSで世界に拡散。「まさに僕らの気持ちの代弁者!」と若者たちの大きな支持を得た。その映像はこちら。

ミレニアル世代に支持される「OK BOOMER」グッズ

 アメリカではそれ以前からミレニアル世代が、1946年〜64年生まれの米ベビーブーム世代の「上から目線ぶり」を揶揄する動画がSNSの「TikTok」で話題になっていた 。TikTokでみるみるうちにベビーブーマー世代の人たちのダメさを挙げ、最後に「OK Boomer!」と入れる投稿が広がり、そこからツイッターやインスタグラムに#okboomerのハッシュタグで広がったのだ。

 2019年9月には、ニューヨークの国連本部でスウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥンベリさんが「大人たちは気候変動を食い止める行動をしない。若い世代はあなたたちの裏切りに気づき始めている。私たちはこのまま、あなたたちを見逃すわけにはいかない」とスピーチしたのは記憶に新しい。それが、ミレニアル世代から大きな支持を受けたという背景もあるため、先のスウォーブリック議員の発言をきっかけに、「OK Boomer!」はムーブメントになりそうな勢いだ。

 北米では既にさまざまなデザインの「OK BOOMER」シャツやパーカー、タオルなどが販売され、大人気。ネット販売大手の米アマゾンドットコムでは、「OK BOOMER」と検索するだけで、「OK BOOMER」と書かれたTシャツやパーカーなどが500アイテムも出てくる。

 この#OKBoomerが#MeTooのように一国の法律や規約を変えるほどの勢いをもつムーブメントに発展すれば、気候変動への取り組みや議会の仕組みにも何らかの影響を及ぼすかもしれない。さて、どういう発展を見せるだろうか。

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