DTM、2023年の電動レーシングカー導入を目指しデモカーをお披露目

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権は11月6日、最終戦ホッケンハイムの会場で2021年以降の将来に向けたプレゼンテーションを行ったが、このなかで2023年の導入を目指し、完全電動のレーシングカーのデモカー『Eカー』をお披露目した。

 2021年に向け、新たにFIA GT3規定のレーシングカーをメインカテゴリーに導入することになったDTM。その他にGT4カーで争われるDTMトロフィー、さらに過去のDTM車両やグループC、F1等のクラシックレーシングカーを楽しめるDTMクラシック、Eスポーツとリアルの融合を目指すDTM Eスポーツというさまざまな“柱”を発表したが、これに加えてDTMが発表したのが、2023年の導入を目指す電動レーシングカーだ。

 この日、元DTMチャンピオンのティモ・シャイダーがドライブしプレゼンテーション会場に登場した車両は、DTMを運営するITRとイノベーションパートナーであるシェフラーが緊密に協力して作り上げたマシンで、1,000馬力超の出力を誇り「F1に匹敵する」という。

 また、電子式ステアリング“ステア・バイ・ワイヤー”テクノロジーや液冷式高電圧バッテリーを備えているほか、高い安全性、そして将来30分のスプリントレース中の自動バッテリー交換を採用する可能性も含まれるとしている。また従来の車両とは異なる外観を採用し、将来公道で観られる可能性がある自動車の先駆者としても機能するという。

 DTMでは、2021年に新たなレベルの『DTMエレクトリック・プロトタイプ』を開発し、2023年にDTMエレクトリックがデビューする可能性があるとしている。また、このホッケンハイムの週末に元DTM王者のシャイダー、ハンス-ヨアキム・シュトゥック、フォーミュラEに参戦していたダニエル・アプト、シェフラーのブランドアンバサダーも務める女性ドライバーのソフィア・フローシュによって走行が行われる。

「我々は戦略的パートナーのシェフラーとともに、DTMのプラットフォームを成功の未来に導きたいと思っている。DTMエレクトリックの最新のテクノロジーを紹介するだけでなく、壮大なレースを可能にするイノベーションをトラック上にもたらすことも我々の目標だ」とITR代表のゲルハルト・ベルガーはコメントした。

「また我々は、古くからのモータースポーツファンに未来のテクノロジーを紹介し、魅力的なレースで彼らを惹きつけたいと思っている」

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