地域ごとに異なる規制内容に混乱広がる @イギリス・ロンドン【10月28日】 新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

10月27日に死者数367人を記録 5月以来最多

 イギリスでは新型コロナウイルスによる混乱が広がっている。10月27日には死者数が367人を記録。5月以来最多となる。ロンドンでは地域ごとに3段階のロックダウンが実施されており、規制だらけの息苦しい日々が続いているが、22日には政府が飲食業や宿泊施設、レジャー施設などに対し最大2100ポンド(約28万5000円)の助成金を配布すると発表。経営難に苦しむ市内の企業から喜びの声が上がっている。

▲アンチロックダウンのデモの中には、アンチ予防接種のプラカードも見られる

 イギリス全土では、地域ごとの対応の違いから混乱する声が上がっている。イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズの4地域で対応が異なるほか、対応の内容も時々刻々と変化することから、現状を把握できない国民が増えているためだ。

主な規制内容

<ウェールズ>
 ・11月9日まで事実上のフルロックダウン
 ・学校は実施するが、8年生以上のセカンダリースクール(中高生)はオンライン授業
 ・スーパーでは生活必需品以外の売買を禁止

<スコットランド>
 ・地域の状況ごとに5段階のロックダウンを実施
 「レベル0」・・・屋内での集会は3世帯8人まで。屋外は5世帯15人まで
 「レベル1」・・・屋内外の集会は2世帯6人まで
 「レベル2」・・・室内の世帯間交流は不可。室外は2世帯6人まで。パブでは食事ありならばアルコール提供を認める
 「レベル3」・・・アルコール販売は室内外ともに不可。レストランは一部規制のものオープン可
 「レベル4」・・・ほぼフルロックダウンと同様の規制。学校はオープン。室外での交流は可

 イングランド各地で『フリーミール』キャンペーンが広がっている。きっかけは、7月からマンチェスターユナイテッドのマーカス・ラッシュフォード選手の呼びかけで始まった『フリーミール』キャンペーンが、最近になって政府に拒否されたことだ。政府の動きを受けてマーカス氏が独自にイングランド各都市でキャンペーンへの参加を呼びかけると、各都市の飲食店などが賛同。ロンドンでもカウンシル(地域政)が助成制度を設けるなど、瞬く間に『フリーミール』キャンペーンが広がった。

 また、こうした動きと連動して、サッカー界でチャリティー運動が広がっている。10月からプレミアリーグの放映権が「BTスポーツ」か「スカイ」だった場合は視聴に14.95ポンド(約2000円)かかるのだが、サッカーファンの間でその視聴金額を募金する運動が加熱。10月からのわずかな期間にも関わらず、リバプールで12万ポンド(約1620万円)、リーズで5万7000ポンド(約770万円)、ニューキャッスルで6万ポンド(約810万円)、トッテナムで1万6000ポンド(約210万円)、アーセナルで3万ポンド(約400万円)の募金が集まり、地域のフードバンクなどへ寄付された。

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