亡き木村拓也さんへ「やりきったと胸張って言える」 引退の楽天久保、一問一答

会見に臨んだ楽天・久保裕也【写真提供:楽天野球団】

楽天の4年間「野球を失っても構わないと思ってからより真剣に取り組めた」

楽天の久保裕也投手が7日、今季限りでの引退を表明した。1980年度生まれの「松坂世代」の右腕は「イーグルスに来て4年間思い切り野球を楽しむことができました」と笑顔。亡き恩人への思いも語った。オンライン会見での一問一答は以下の通り。

――引退決断の理由は?
「今シーズンを自分自身で振り返ったときに、なかなか結果が出せずに力の衰えを感じました。力の限界を球団に伝えて、引退することにしました。イーグルスに入団するときに最後の球団にすると決めてずっとプレーしてきた。迷うことなく引退する方向に固まったので、すぐに決めました」

――現役生活を振り返って
「ジャイアンツから野球人生がスタートして、手術を経験したり戦力外を経験したり。それからベイスターズでお世話になり、何も失うモノはないと思い切って野球をやったんですけど、それでも諦めきれない思いがあり、イーグルスに来てからは、もう野球を失っても構わないと思ってからより真剣に取り組むことができました。後輩たちと野球の話をするのが、ものすごく楽しくて、イーグルスにきてよかったなと」

――18年間やってこられた理由は?
「1年、1年、思っている以上に厳しいシーズンが増えてきて。2007年、2008年くらいからは、あと何年やれるかなと考え始めました。そこから気持ちを盛り返すことができました。プロ入ったときはすごく練習が嫌いで、毎日いかに楽をするかを考えていました。その結果、すぐボロが出るというか、内海(哲也)とか山口(鉄也)とか可愛がっていた後輩に一瞬にして置いていかれるようなことが続いて。心を入れ替えて練習したんですが、なかなか落ちていくのは簡単で…。ただ、そこから取り組み方を変えたのがよかったのかなと」

松坂世代への思い「村田だけには絶対に打たれたくないと」

――アドバイスをもらった方は?
「いろんな人が心配してくれました。木村拓也さんが亡くなったことで、僕の気持ちが大きく変わったというか、モヤモヤしたものが吹っ切れた瞬間だった。何でもできることの強みを教えてくれた人でした。やりきったと、胸を張って今なら言えます」

――同学年の松坂世代への思いは?
「個人的には、村田(修一)にだけには絶対に打たれたくないと、高校、大学、プロに入ってからも強く思っていました。だから、横浜戦だけは結構、気持ちが入ってましたね」

――同世代で現役を続ける松坂大輔投手、和田毅投手へのメッセージを
「1年でも長くやってほしい。いつかやめるときがきたら、お疲れ様と言ってやりたいです」

――先発も中継ぎもやった
「正直、先発の方が評価が上という見方をしていたと思うんですけど、中継ぎになってみたら、中継ぎのしんどさや1イニングを抑えなきゃいけないという難しさと使命感と責任感と。中継ぎの方が精神的にきつかった」(Full-Count編集部)

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