食卓に珈琲の匂い流れ…茨木のり子さんの詩集、朝読書にオススメ2冊

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、茨木のり子さんの詩集

「食卓に珈琲の匂い流れ/ふとつぶやいたひとりごと/あら/映画の台詞だったかしら/なにかの一行だったかしら/それとも私のからだの奥底から立ちのぼった溜息でしたか」

私の好きな詩「食卓に珈琲の匂い流れ」の最初の一節です。気持ちが浮き立つ日も沈みがちなときも、茨木のり子さんの詩を読むと気分が落ち着きます。そして自分の心を静かに見つめたくなります。朝読書にオススメの2冊をどうぞ。

おんなのことば
著者:茨木のり子
出版社:童話屋

「自分の感受性くらい」「わたしが一番きれいだったとき」「見えない配達夫」「落ちこぼれ」など、名詩35編を収めた珠玉のアンソロジーです。小さく愛らしい、ポケット判の詩集です。

この詩集の「朝時間」は、「食卓に珈琲の匂い流れ」より。「静かな/日曜日の朝/食卓に珈琲の匂い流れ……/とつぶやいてみたい人々は/世界中で/さらにさらに増えつづける」

倚りかからず
著者:茨木のり子
出版社:筑摩書房

「倚りかからず」をはじめ、名詩の数々を収録した詩集です。気持ちがきりりとする茨木のり子さんの詩集は、新しい朝のはじまりにぴったりです。

この詩集の「朝時間」は、「鶴」より。「わたしのなかにわずかに残る/澄んだものが/はげしく反応して さざなみ立つ/今も/目をつむれば/まなかいを飛ぶ/アネハヅルの無垢ないのちの/無数のきらめき」

くわしくはこちらの記事をどうぞ。
『おんなのことば
『倚りかからず』

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
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