【水泳(競泳)】世界新記録更新&東京五輪金メダルを目指して 佐藤翔馬選手インタビュー

先日行われた第96回日本学生選手権水泳競技大会の男子200m平泳ぎで、世界歴代5位のタイムを記録し、100m平泳ぎと合わせて個人2冠を達成した佐藤翔馬選手(商2・慶應)。今回は、東京五輪での金メダル獲得が期待される佐藤選手のインタビューの様子をお伝えします。

※佐藤選手の記事が掲載された秋季早慶野球号を11月7日、8日の2日間、明治神宮野球場内にて、無料配布いたします。慶大野球部のみならず慶大體育會各部の情報が盛り沢山です。試合前のデータチェックに、また試合中に気になった選手の素顔を見て、共に戦いましょう!ぜひご一読ください!!

これからの日本水泳界を引っ張る存在になるだろう(写真提供:慶應義塾體育會水泳部競泳部門)

――まずは自己紹介をお願いします

慶應義塾大学商学部2年の佐藤翔馬です。水に初めて入ったのは0歳、泳ぎ始めたのは5歳で、選手クラスに入ったのは小学3年生の時です。

――コロナ禍で練習が制限されたと思います

家にエアロバイクなどの器具があるので、トレーニングできることは家でして、外では陸トレをしていました。(新型コロナウイルスの影響で)水には、1ヶ月くらい入れませんでした。怪我以外でこんなに長期間泳げなかったのは初めてでした。泳げるようになってからは、ほぼ毎日練習していて、最近はコロナ前と全然変わらない感じでナショナルトレーニングセンターにて練習をしています。

――インカレの200m平泳ぎで2分07秒02という自己ベストを記録しました、世界記録まで0秒90ですが意識されていますか

かなり意識していました。世界記録は、2分06秒12ですが、そこまで出なくても2分06秒台を出したいと思っていました。結果は2分07秒02だったので、自己ベストではあったけど、微妙って感じです。来年には、世界記録が2分05秒台にまで縮んでいる可能性もあるし、2分05秒台を出さないと世界のトップになるのは厳しいと思っています。

インカレの200m平泳ぎでは、世界歴代5位の好タイムを記録し、優勝を果たした(写真提供:慶應義塾體育會水泳部競泳部門)

――東京五輪が延期されたことについて

俺にとってこの開催延期はチャンスです。もし、今年に開催されていたとしたら、表彰台くらいは行けたかもしれないけど、優勝はできなかったと思います。でも、来年なら可能性が十分あると思っています。2分09秒台を出したのが2019年6月で、前までの自己ベストだった2分07秒58を出したのが2020年1月でした。この9ヶ月くらいで0.5秒縮まって、今もどんどんタイムが縮まっているし、俺にとってこの開催延期はチャンスです。

――100m平泳ぎと200m平泳ぎの差は

100mと200mでは、全然泳ぎ方が違います。100mだと全力で行って全力で帰ってくるみたいな感じですが、200mだとそんなに全力で泳がなくてよくて、50m4回を全部同じ力で行く感じで良いので、それが俺にとって得意なのかなという印象です。200mの方がスタミナが大事でパワーがあまりいりません。100mは海外の選手にどうしてもパワーの面で敵わない部分があるけど、200mだと技術が結構生きてくるので、技術に自信がある自分にとって良いと思います。

――200m平泳ぎについて

1番得意なのは50mから100mにかけての部分です。そこだけなら、もしかすると世界トップかもしれません(笑)。苦手なのは、最後の150mから200mにかけての部分です。そこで世界新記録よりも1秒以上遅くて、明確な課題です。

――幼稚舎から慶應義塾に在籍しています、慶應義塾への思いは

幼稚舎から慶應義塾に在籍し、慶應歴14年目で、人生の半分以上を慶應生として生きています。大学から慶應ではない水泳が強い学校に行っても良かったですが、やはり俺は大学でも慶應生としてやっていきたいっていう思いがあったので、大学も慶應にしました。勉強は大変だけど、やはり他の大学に行くより、勉強面だけでなく、人間性なども高まっている気がします。

――慶應義塾體育會水泳部競泳部門での目標は

インカレは学校単位で出て、現在の慶應は10位です。8位までがシード校として、プールサイドの席で選手が入場してくる前にハイタッチして応援できるなど、メリットがすごくあります。そのシード校になることを目標にずっと頑張ってきています。結局、今年もシード権が取れなくて、慶應には推薦が無いので、厳しい部分があります。しかし、その中でメンバーをやりくりしてシードを取るっていうのが、慶應義塾大学體育會水泳部としての1番の目標です。自分が100m平泳ぎと200m平泳ぎで2冠して、チームに40点を持ち帰らないといけないと思っています。2位になってしまうと、17点になってしまって3点も違うので、慶應としては致命傷になってしまいます。

現役慶大生金メダリストになることが目標だ(写真提供:慶應義塾體育會水泳部競泳部門)

――今年の目標は

10月中旬からハンガリーで行われているISLという世界初の水泳プロリーグに参戦しています。世界のトップ選手が全員集まるので、そこで良い結果を出して2021年につなげていきたいと思っています。また、12月3日から6日にかけて行われる日本選手権で、東京オリンピック日本代表を競う選手が全員出てくるので、しっかり2分06秒台を出して優勝して、日本で1番になりたいです。

――今後の目標は

2021年4月に行われる日本代表選考会での1発勝負で2位以内に入って、派遣標準記録(2分08秒28)を切れば東京オリンピック日本代表になれるので、まずはそこが最初の目標です。そして、東京オリンピックでは世界新記録を出して金メダルを取りたいです。

――ケイスポ読者に一言お願いします

日本選手権や日本代表選考会など、コロナ禍でなかなか会場に入ることは難しいと思いますが、YouTubeやABEMAで試合が配信されているので、試合を見てもらって、水泳に少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします!

――お忙しい中ありがとうございました!

(この取材は10月16日にオンラインで実施しました。)

(取材:隅田一)

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