娘に子犬を購入したベテラン捕手・クラッツが現役引退へ

40歳のベテラン捕手エリック・クラッツはかつて娘に「メジャーリーグで最後の試合をプレーしたときに子犬を買ってあげる」と約束をしたことがある。今オフ、クラッツは子犬を買い、クラッツ一家はその子犬と過ごす時間を楽しんでいる。「僕たちは子犬を買ったんだ。子犬と過ごす時間を楽しんでいるよ。そろそろ家に戻るタイミングだね」と語ったクラッツは、来季プレーする意思がないことを明言。事実上の現役引退宣言となった。

クラッツは今季ヤンキースでゲーリー・サンチェス、カイル・ヒガシオカに次ぐ3番手捕手として16試合に出場し、打率.321、0本塁打、4打点、OPS.760をマーク。豊富な経験を生かして若手投手の教育係としての役割を果たし、敗戦処理としてマウンドに上がった際にはナックルボールも披露した。首脳陣やチームメイトからの信頼も厚く、数字以上にチームへの貢献の大きい選手だった。

「来季を選手として迎えることはないと思う。プレーしないことを決めているんだ」とクラッツ。「それをどのように表現すればいいかわからないんだ。引退という言葉を使うのは自惚れのような気がする。引退という言葉を使っていいのは殿堂入りクラスの選手やそれに値する選手、もしくはフランチャイズ・プレーヤーくらいだと思っているからね」と語り、自身のキャリアのピリオドとして引退という言葉は使わなかった。

クラッツは2002年のドラフトでブルージェイズから29巡目(全体866位)指名を受けてプロ入りし、8年間のマイナー生活を経て2010年にパイレーツでメジャーデビュー。フィリーズ時代の2013年には自己最多の68試合に出場し、2012年と2013年に自己最多の9本塁打を放った。ヤンキースのほか、ブルージェイズ、ロイヤルズ、アストロズ、ブリュワーズ、ジャイアンツ、レイズでもプレーし、9球団で合計11シーズン、通算332試合に出場して打率.209、184安打、31本塁打、105打点、OPS.611をマークした。

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