NECがモビリティテストセンターを開設 5G活用で路車間通信など

NECが6日、新しい道路交通インフラ社会の実現に向けた実証施設「NECモビリティテストセンター」を静岡県御殿場市に開設した。

今回のテストセンターは、インフラ協調型のモビリティサービスの実現や、インフラに設置したセンサーから得られるデータの活用など、さまざまな評価・検証を行う目的で設置。

テストコースは全長約120m・直線約100mで、コース内には信号や横断歩道などで疑似的な交差点を配置。さらに、ローカル5G基地局や車車間、路車間、歩行者などと通信を行えるC-V2X路側機などの無線通信設備、路側カメラやAI用エッジ処理装置などのエッジコンピューティング設備も導入した。さらに、バス・乗用車などの車両や電動車いすも配備するなど、実際の道路・インフラに次世代通信設備を加えたような環境を作り出した。

NECは、今年度3つの実証実験を行う予定だ。

まず、ローカル5Gを用いて道路付帯物に設置したカメラで交差点映像を取得・分析して、周囲の5G未搭載車両に横断者情報や衝突予測情報、速度超過車両情報を通知する「ローカル5Gと映像分析の先進技術実験」。

次に、通行する車両や歩行者をカメラで認識・分析して、交通量のリアルタイム検知や通過車両のナンバープレートの識別、さらには地域外からの流入車両数の把握や、時間帯による車両・歩行者量の変化をとらえる「交通マネジメント実験」。

そして、路側のカメラで取得した路面状況の画像から、落下物や倒木などのインシデントをリアルタイムに把握し、周辺にいる5G端末搭載の車両へ通知して注意喚起する「道路インフラのマネジメントの実験」だ。

NECは、ローカル5Gや映像分析、AI・IoTといった先進技術と、パートナー企業・団体の技術やノウハウを組み合わせ、次世代のモビリティサービスの技術開発やシステム検証を推進し、新たな価値創造や社会課題の解決を目指して取り組むとしている。

(出典:NEC Webサイトより)

© 株式会社自動車新聞社