アメリカでも人気のタピオカ・ドリンク とうとうアルコール入りも

 日本でも大人気のタピオカ・ミルクティー。アイスティーをはじめとするタピオカ入りドリンクの人気がアメリカでも沸騰し、全米に様々な店舗が現れている中、各社が斬新なブランド・イメージや独自メニューを打ち出して競争している。

中華街を飛び出したバブルティーやボバティー

 台湾生まれで、もちもちした食感がユニークなタピオカ入りアイスティーがアメリカに上陸したのは1990年代。当時は全米各地の中華街にある家族経営の中華系ベーカリーなどの片隅で売られているアジアの飲み物で、アジア系の人以外にはほとんど知られてはいなかった。

 それが、中国系アメリカ人や他のアジア系アメリカ人の若い起業家が立ち上げたチェーン店の誕生や、アジア本国からアメリカへ進出してきた有名企業の店舗拡大などにより、アジア系以外のアメリカ人にも知名度が広がった。名称も当初は「タピオカ・ティー」だったが、タピオカをはじめとするジェリー状の粒をバブルと呼んだことから「バブル・ティー」、「ボバ・ティー」という呼び方がアメリカで定着した。

アルコール入りのタピオカドリンクで勝負

 ニューヨークでは、台湾で人気が高いタピオカドリンク・ブランド「Tiger Sugar」がマンハッタンにオープンして長い行列ができたことが話題になった。

 どの店舗もメニューの選択肢を増やしたり、原料にこだわったりとユニークさを競っている中、2019年9月、英国ロンドンに本社がある「バブルオロジー」がニューヨーク第1号店をオープンした。

 ここの看板メニューは、アルコール入りタピオカドリンクだ。上記リンクでメニューが見られるが、たとえばパッションフルーツ風味のタピオカを入れたカクテル「パッション・イン・パラダイス」や、ベイリーズをベースにした「ベイリーズ・キャラメル・キッス」など、甘いドリンク好きの人をそそるようなメニューが揃い、値段は1杯$13.95(日本円で約1,500円)。通常のバブルティーとは異なり、アルコール入りなのでテイクアウトはできないが(アメリカでは指定された場所以外の屋外でアルコール飲料を飲むことは禁止されている)、その味を試してみたい人たちで店内は大賑いだ。

 タピオカ入りドリンクを売る店舗がアメリカで増加したのは、アジアの料理やアジアの飲料に対してアメリカの消費者の関心が以前より高まったからだと話す専門家もいるようだが、タピオカ人気は文字通り「バブル」ではないかとの声もある。タピオカに限ったことではなく、ここまで人気が広がったトレンド商品は、ここからどうやって生き残っていくかに勝負がかかる。

(2019年10月公開記事)

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