ドラマ「ハンサムセンキョ」出演中の武子直輝、武藤賢人、奥谷知弘、谷水力を直撃!

テレビ神奈川(tvk)で放送中のドラマ「ハンサムセンキョ」。同作は市長選が行われる架空の都市・新光市を舞台に、個性豊かな候補者やその仲間たちが言葉や情報を駆使して、人々と交流を重ねながら選挙戦に挑む“選挙コメディードラマ”だ。

TVガイドwebでは、元小学校教師のフリーターで“きらめき新党”から市長選に出馬することになった主人公・天童勇樹役の武子直輝、“FPP(Free Politics Party)”の候補者で天童のライバルの1人であるキース・篠宮役の武藤賢人、“未来自由党”の秘書・山吹啓介役の奥谷知弘、“天晴党”のミュージシャン・陸奥遊里役の谷水力を直撃取材。自身の役柄や撮影中のエピソード、ドラマの見どころなどを聞いた。

武子直輝◆天童勇樹と一緒に選挙を学んで、12話まで完走しましょう!

――天童勇樹は政治家になったとうわさの友人(実際は落選して秘書修業中)のもとを、職を求めて訪ねたことがきっかけで、市長を目指すことになってしまうという異色のキャラクターかと思います。武子さん自身は天童という人物をどう見ていますか?

「天童勇樹は明るく元気で人当りもよく、裏表のない青年です。一方で『市長選に出ないか』と言われて、すぐにその言葉に乗るあたりは、少し周囲に流されやすい性格なのかなと(笑)。ただ、天童が好きだった教師の仕事を辞めた背景には、少子化が学校現場にもたらした問題があり、彼も現状に対して自分の考えを持っています。そうした部分に素質があると見抜かれて出馬することになったのだと思います。でも、天童自身はまだそれを理解していないので、歯車がかみ合ってない感じです」

――そんな天童を演じるに当たって、役作りはどのようにされたのですか?

「僕の性格にも天童と似たところが多かったので、似ている部分は天童にうまくトレースしていき、足りない部分は自分で材料を作って最終的に合体させ“天童勇樹”を作っていきました」

――ドラマでは成長していく天童が描かれると思いますが、彼を見る上でポイントとなるシーンがありましたら、教えてください。

「回を追うごとに天童は変化していきますが、そのターニングポイントは“おばちゃんとの出会い”です。他の候補者と共に討論番組に出演した天童は、思うような結果が出せませんでした。次の討論までの間、彼は対策を立てようとするのですが、なかなか答えを見つけ出せずにいます。そんな中、1人のおばちゃんとの出会いが、天童に“ひらめき”を与え、これを機に彼が変わっていきます。そこは重要なシーンです」

――同じ政党の共演者の方とのチームワークはいかがでしたか?

「“きらめき新党”の古剛栄進役の横さん(横山真史)、花野薫役の深澤大河くんとは、ずっと一緒に撮影していたので、いい絆が芽生えたと思います。控室は、3人が集まっただけで自然と台本の読み合わせが始まるという雰囲気で(笑)。チームとして支え合っていました」

――撮影で印象に残ったシーンはありますか?

「選挙活動中に街頭でメガホンを使って歩いている人々に呼びかけるシーンです。撮影なので、街を歩いている人たちはエキストラさんですが、実際にあの場に立ってみると、お芝居といえども、歩いている人の心に響くように声をかけることは自分に勇気がないとできないことなのだと実感しました。立ち止まってもらって実際に演説を聞いてもらうことは本当にすごいことなのだと思いました。台本を見ただけでは分からない、あの場に立って初めて分かったことです」

――天童は小学校教師を経て政治の世界に足を踏み入れるわけですが、武子さんご自身は、もし俳優になられていなかったら、どんな職業に就いていたと思いますか?

「小さい頃はゴルフをやっていたのでプロゴルファーになりたいと思っていましたが、もしも今だったら、サラリーマンで営業職に就いていると思います。僕たぶん営業に向いていると思います(笑)。家族からそう言われたこともあります」

――今お話しさせていただいてそう思います。いつか営業マンを演じているところも拝見したいです。

「ありがとうございます。でも、営業マンの役だと僕自身になっちゃいそうですね(笑)」

――最後に視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

「(演説風に)ドラマ『ハンサムセンキョ』。笑って、楽しめて、選挙をよく知らなくてもきっと、興味を持っていただける、そんなドラマだと思います。天童勇樹と一緒に選挙を学んでいって、共に12話まで一緒に完走しましょう! よろしくお願いいたします!」

【プロフィール】

武子直輝(たけし なおき)
1993年3月28日生まれ。東京都出身。主な出演作に舞台「刀剣乱舞」シリーズの同田貫正国役、舞台「ハイキュー!!」シリーズの海信行役、映画「絶狼<ZERO>‐BLACK BLOOD-」のカイン役、ドラマ「仮面ライダードライブ」(テレビ朝日系)の茂木拓郎役など。

武藤賢人◆回を重ねるごとにキースという人間を分かっていただける作品になっています

――武藤さんが演じるキース・篠宮は少し謎めいた印象がありますが、どんな人物ですか?

「キース・篠宮が所属するFPPは、インターネットを中心とした選挙活動を行う政党です。キースは海外で育った帰国子女という設定で、FPPでの活動を通して、海外の選挙文化を日本に取り入れて新光市を日本で一番進んだネットワークの町にしたいと思っている人物です」

――そんなキースを演じるに当たって武藤さんが意識したことを教えてください。

「キースは常に頭がきれるキャラクターですので、クールな雰囲気や鋭さを見せなければいけなかったです。でも、実は趣味でネコグッズを集めていたり、コーヒーにこだわりがあったり、眼鏡の触り方もそうですけれど人間らしい一面もあるので、そうしたギャップも表現することを心掛けました。ドラマの前半はクールな謎の男という印象が強いですが、回が進むにつれてキースという人間を分かっていただけるような作品になっています」

――脱線してしまいますが、武藤さんは以前にも眼鏡のキャラクターを演じていたことがありましたね。

「そうですね。眼鏡に縁があるのかもしれません(笑)」

――撮影で大変だったことはありますか?

「FPPはオンラインでコミュニケーションをとる政党のため、実は橋本汰斗くんや樫澤優太くんとは同じセットの中で芝居をすることがほとんどありませんでした。3人ともリモートで会話するシーンが多くて苦労したと思います。ただ、同じ場所で会話する機会がない分、役のキャラクターや気持ちを大事にして演じるように努めました」

――武藤さんから見た主演の武子直輝さんの印象を聞かせてください。

「武子くんは主演として、天童勇樹としてドラマ『ハンサムセンキョ』を引っ張ってくれました。天童の生き方も武子くん自身とリンクしている部分もありましたし。ドラマの後半は、キースと天童の関係性も見えてくる展開なので、僕自身も彼から刺激をもらいました」

――キースが市長選に立候補した背景には海外で触れた文化がありましたが、武藤さんご自身はどのようなことがきっかけで俳優を目指されたのでしょうか?

「子どもの頃は九州に住んでいて『芸能人に会いたい』という憧れの気持ちはあったのですが、自分が芸能人になりたいという意識はありませんでした。でも、高校3年生まで続けていた野球が終わった後に、何もやりたいことがなくなってしまった時期があって。そこから俳優という仕事を意識するようになった気がします。自分が芸能界を目指せば芸能人に会えるのではという思いもあって、若さゆえの勢いでこの世界に入りました」

――特に会いたいと思っていた方はどなただったのでしょうか?

「小栗旬さんです。小栗さんの芝居も声も好きで、出演作品は全部見ています。いつか共演できたらと思う憧れの存在です」

――最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。

「選挙と聞いたら難しそうに聞こえるかもしれませんが、ドラマ『ハンサムセンキョ』は個性豊かなメンバーが出演し、コメディー要素もあって楽しく、分かりやすく見られる作品だと思います。これからクライマックスに向けて各キャラクターの関係性などが見えてきますので、全キャラクターに注目してご覧ください!」

【プロフィール】

武藤賢人(むとう けんと)
1993年9月16日生まれ。佐賀県出身。主な出演作にミュージカル「陰陽師」~大江山編~の源頼光役、ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズンの木手永四郎役、ドラマ「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」(日本テレビ系)の斉藤洋文役など。Allen suwaruプロデュース公演舞台「いい人間の教科書。」(東京:11月11~16日/大阪:11月20~22日)にも出演。

「自分は営業に向いていると思います」と話す武子は、そんな自身の長所を生かして、分かりやすい言葉と丁寧な姿勢でドラマの見どころを語ってくれた。また、役作りについて真摯(しんし)に語る一方で、自身のエピソードを少しはにかみながら話す武藤からは、ギャップのあるキースの雰囲気が感じられた。彼らが作り上げるドラマ「ハンサムセンキョ」の今後の展開に目が離せない。

奥谷知弘◆“縁の下の力持ち”のような雰囲気を出せるように努めました

――今作での奥谷さんは、一ノ瀬竜さんが演じる“未来自由党”の白峰誠二を支える秘書を演じていらっしゃいますね。

「未来自由党には、僕が演じる山吹啓介を含めて3人の秘書がいます。秘書の中のトップが窪寺昭さん演じる刈安健司で、山吹は“秘書を支える秘書”という役どころです」

――“秘書を支える秘書”である山吹はどのような人物なのでしょうか?

「山吹の上司である刈安はドラマ『ハンサムセンキョ』の中で唯一、主人公に対しての悪役といった役どころで、回を追うごとに(選挙戦のライバルに)威圧的になっていきます。そんな状況に身を置く山吹は『すべてを知っているのではないか』と僕は考えています。なので、表向きはやる気のない雰囲気を装っているけれど、刈谷や白峰がピンチの時には、さっと手助けができるスマートさを兼ね備えています」

――山吹を演じる上で心掛けたことはありますか?

「秘書は表に出る側の役職ではないので、あえて目立たずに“縁の下の力持ち”のような雰囲気を出せるようにと考えていました。お芝居をしていると、自分が自分がと前に出たい気持ちになってしまいがちなのですが、この作品では『あくまでも秘書だから』という設定を頭の片隅に置いて演じました」

――山吹の趣味はお茶を入れることですよね。

「実は後々、お茶が重要なポイントとなる展開があります。そこにつなげるために演技の中ではお茶を大切に扱っていきました」

――山吹の設定を聞いて、お茶ではありませんが、奥谷さんがお昼の番組でコーヒーのラテアートをされていたことを思い出しました。

「そうですね(笑)。僕は今、コーヒーを勉強していますし、アロマの資格も取得しています。ドラマの中では山吹がお茶を入れた後に香りを嗅ぐ描写もあるので、視聴者の方々には、僕自身と通じるものがあるなと楽しんでいただければうれしいです」

――共演者の方で印象に残っている方はいらっしゃいますか?

「窪寺さんとは初めての共演だったのですが、年下の僕に気さくに話してくださって優しい方でした。お芝居も初めて拝見したのですが、役に入るとオーラがあって迫力のある雰囲気を醸し出していて印象的でした。近くで見ていて、窪寺さんのお芝居は好きだなと思いました。また、共演シーンはなかったのですが、稲垣成弥さんもオーラが特別でした。まずスーツがとても似合っていて、スマートでかっこいいと思いました。話しかけたかったのですが、なかなかできずに撮影が終わってしまいました(笑)」

――今回のドラマで秘書のお仕事に従事されていますが、奥谷さんご自身はもしも芸能界に入っていなかったら、どんな職業に就かれていたと思いますか?

「何やっていたでしょうね(笑)。ずっとバスケットボールをやっていたので、バスケットボールのプロを目指していたかもしれません。プロを目指していた時はあったので。」

――芸能活動を始める前から、何かを表現することに興味はあったのですか?

「幼い頃から僕は人前に出て目立ちたいというタイプで、人前で面白いことをするのが好きな子どもでした。大学生の時に東京に出てきて、声をかけられたことがきっかけで今のお仕事を始めたのですが、自分のそうした部分があったからこそ、この道を選んだのかもしれないですね」

――最後に視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

「ドラマ『ハンサムセンキョ』はキャスト15人が一つの目的に向かって熱く戦うドラマです。そして、戦う人を陰で支える人がいて、目的を達成するということはいろいろな人の協力があってできるのだということも学べますし、知っていてもらいたい政治や選挙の知識も込められています。そうしたところも気に留めていただければと思います。そして、僕が演じる山吹はなぜお茶を入れているのか。最後に何かが起きるかもしれません…。そのあたりも注目していただきながらドラマを楽しんでご覧くださるとうれしいです」

【プロフィール】

奥谷知弘(おくたに ちひろ)
1994年12月26日生まれ。埼玉県出身。主な出演作に「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」シリーズの羽風薫役、ドラマ「トットちゃん!」(テレビ朝日系)の田辺靖雄役、「無用庵隠居修行3」(BS朝日)の佐平治役など。情報番組「猫のひたいほどワイド」(tvk)に“猫の手も借り隊”月曜レッドとして出演中。

谷水力◆陸奥の音楽に命を懸けている感じを意識して演じました

――谷水さん演じる陸奥遊里のビジュアルは、ほかのキャラクターがスーツ姿の中でインパクトがありました。陸奥はどんな人物ですか?

「陸奥遊里は稲垣成弥くん演じる牧瑛士とずっと一緒に曲を作っているミュージシャンです。なので、ほかのキャラクターと違ってロックなビジュアルなのかなと。牧は会社の経営者ですが音楽を愛しています。ドラマの中で陸奥と牧は、曲作りの話しかしていなくて、2人の間には音楽を通じた信頼関係があると思います」

――陸奥というキャラクターをどのような気持ちで演じられましたか?

「硬い雰囲気の政党も登場する作品の中で、“天晴党”はフレッシュな若手2人の存在や、トップの牧の生き方もあって比較的フランクな感じではありますが、その中でも異色のキャラクターになればと思って演じました。また、陸奥は音楽に強い思いを持っている人物なので、彼の音楽に命を懸けている感じを意識しました」

――“天晴党”の共演者の方とはいかがでしたか?

「目白役の本川翔太くんと共演経験がありましたが、ほかのメンバーは初めましてでした。ですが、プライベートでも気さくな方が多くて、気兼ねせずに過ごせるいい関係が築けていたと思います。三城役の宮澤佑くんや成弥くんは年上なので“いいお兄さん”でした。一方、門司役の中島拓人くんは僕より年下で、慕ってくれました。撮影時間以外でも5人で過ごすことが多かったですね」

――共演者で影響を受けた方はいらっしゃいましたか?

「成弥くんは演説もあって一番セリフが多いこともあり、本読みの顔合わせの時からすでにセリフが頭に入っていて、その姿勢に刺激を受けました。また、主演の武子直輝くんとは以前共演したことがありますが、このドラマでは主演として空気を作ってくれましたし、お芝居もすごかったなという印象です」

――陸奥を演じる谷水さんも音楽をやっていたことはあるのですか?

「僕も中学、高校生時代にずっとバンドをやっていました。高校卒業と同時に俳優の仕事を始めたので、それからはやっていないのですが、もしも俳優の仕事をしていなかったら、今はバンドをしていたのかなと思います。この世界に入るきっかけとなった『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』を受ける前は、ギターが好きで音楽の専門学校に行きたいと思っていたんです。当時は私立の高校に通っていて、僕も最初は大学に進むつもりでいたのですが、そのことを巡って親と少し衝突したこともありました。10代の頃はバンドでデビューしたいという夢を抱いていました」

――陸奥とリンクしますね。

「そうですね。ドラマの中でもギターを弾いているのですが、過去の自分の経験が生きるのは俳優の仕事ならではですし、いいなと思いました」

――最後に視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

「ドラマ『ハンサムセンキョ』では、“天晴党”は歌が多いといったように、各政党に特色があって、それぞれのキャラクターが立っています。選挙や政治が題材ということで硬い印象もあるかもしれませんが、気楽に見ていただける内容です。選挙のリアルさも描かれているので自分だったらどの党を推すかな、といった感じでドラマを通じて政治にも興味を持っていただければと思います。いろいろな見方ができる作品ですので、ドラマで描かれるさまざまな部分を楽しみながら見ていただけるとうれしいです」

【プロフィール】

谷水 力(たにみず りき)
1996年10月16日生まれ。福岡県出身。主な出演作に舞台「刀剣乱舞」シリーズの南泉一文字役、「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」シリーズの衣更真緒役など。 舞台「真夜中のオカルト公務員」では主役の宮古新役を務めた。情報番組「猫のひたいほどワイド」(tvk)に“猫の手も借り隊”月曜ブラックとして出演中。

「目的を達成するためにはいろいろな人の協力が必要だと学べる作品」という言葉は“縁の下の力持ち”に徹する役を演じた奥谷が伝えることで、より心に響いた。穏やかに語る彼には“誠実・丁寧・真心”の精神が息づいていた。一方、音楽にまつわる自身の思い出を話してくれた谷水。彼が自身の経験を基に作る陸奥というキャラクターがドラマをどう彩っていくのか期待したい。

【番組情報】

ドラマ「ハンサムセンキョ」
テレビ神奈川(tvk)
水曜 深夜0:00~0:15
※各種サービスでも配信中
https://www.tvk-yokohama.com/hansamusenkyo/onair.html

エンディングテーマ「ハンサムセンキョ」劇中歌「Future in the box」
各音楽配信サイトで配信中
https://www.tvk-yokohama.com/hansamusenkyo/onair.html#music

取材・文/大山敬仁

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