サイ・ヤング賞有力候補のバウアー 他球団への移籍が濃厚か

トレバー・バウアーは今季、最優秀防御率のタイトルを獲得してサイ・ヤング賞の受賞を有力視されるなど見事な活躍を見せ、レッズの2013年以来7年ぶりとなるポストシーズン進出に大きく貢献した。レッズとバウアーはお互いに再契約に興味を示していることが報じられていたが、コロナ禍の財政事情によりレッズはバウアーを失う可能性が高まっているようだ。

「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールによると、2019年7月末にインディアンスからトレードでバウアーを獲得したとき、レッズは「バウアーがチームに在籍する1年半のあいだに少なくとも1度はポストシーズンに進出し、増加した収入を用いてバウアーとの再契約にトライする」という計画を立てていたという。

ところが、バウアーの活躍もあってポストシーズン進出という目標は達成したものの、チームの躍進によって収入を増やすという目論見は大はずれ。新型コロナウイルスのパンデミックにより2020年シーズンは無観客開催となり、レッズはバウアーとの再契約に必要な増収を得られなかった。

バウアーは年俸3000万ドル前後の大型契約を狙っていると見られており、レッズがバウアーを満足させられるだけのオファーを提示できる可能性は低い。バウアーは代理人のレイチェル・ルーバを通してすでにレッズからのクオリファイング・オファー(年俸1890万ドルの1年契約)を拒否する意向を示しており、同オファーの拒否後、バウアーを引き留めるだけの財政的な余裕はレッズにはないと見られる。

バウアーが総額5000万ドル以上の契約を他球団と結んだ場合、レッズは来年のドラフトで1巡目と戦力均衡ラウンドAのあいだに補償指名権を得ることができる。総額が5000万ドルに満たなかった場合は、戦力均衡ラウンドBのあとに補償指名権を得る。例年通りの状況であればバウアーが総額5000万ドル以上の契約を得るのは確実だが、今オフはバウアーが高額年俸の1年契約を選択し、レッズは高順位の補償指名権を得られない可能性もありそうだ。

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