大村市民病院が辞退届 県の感染症指定医療機関

 長崎県大村市は9日、第2種感染症指定医療機関となっている市民病院(古賀島町)について、指定医療機関の辞退届を県に提出したと市議会全員協議会で明らかにした。専門医の退職に伴い、後任医師の確保にめどが立たなかったため。来年9月末で解除となる。
 市福祉総務課によると、同病院は2003年12月に指定を受け、指定病床4床を備える。同市と諫早市、東彼3町が含まれる県央地域医療圏で唯一の第2種感染症指定医療機関で、新型コロナウイルス感染症の患者も受け入れてきた。
 今年9月30日付で、中心となって患者の対応に当たっていた呼吸器内科・感染症内科の専門医が退職。市は退職の申し出のあった7月中旬から長崎大や県に医師の派遣を要請するなど後任の確保に取り組んだが、困難と判断。9月30日付で辞退届を提出した。
 指定解除後は、感染状況に応じて患者を受け入れる協力病院として対応する方針。肺炎やインフルエンザなど一般的な感染症についてはこれまでと同様、一般病床で対応を続ける。県は今後、県央地区における代わりの指定医療機関を確保するとしている。
 園田裕史市長は「新型コロナの患者に関しては、これまでも周辺の医療機関とフォローし合いながら受け入れてきた。その点で対応は変わらず、治療もしっかり受けられるため、市民には正しく冷静に捉えてもらいたい」と話した。

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