厚木基地、艦載機移駐後の騒音大幅減 周辺自治体の協議会、岩国の騒音にも懸念「痛み受け止める」

厚木基地騒音対策協議会であいさつする黒岩知事(中央)=10日午後、横浜市中区

 米海軍厚木基地(神奈川県大和、綾瀬市)の周辺9市と神奈川県などでつくる「厚木基地騒音対策協議会」が10日、横浜市内で開かれ、空母艦載機の岩国基地(山口県)への移駐後の騒音状況が報告された。移駐完了から約2年半、ジェット戦闘機によると推定される100デシベル以上の騒音測定回数は大幅に減少したが、出席者からは岩国基地周辺の負担増に対する懸念の声が上がった。

 県の集計によると、測定地点で厚木基地から最も近い北側1キロ地点(大和市)の100デシベル以上の騒音測定回数は、昨年度で月平均5.75回。本年度も9月までで月平均1.66回となっている。2018年3月の移駐完了以前は、400回を超える月もあった。

 一方、移駐により岩国基地周辺は騒音の増加が指摘されている。内野優海老名市長は「神奈川が知らん顔をしていいのか」と問題提起。黒岩祐治知事は「岩国の皆さんが受けている痛みをしっかりと受け止める」と応じた。

 終了後の取材で、知事は「以前に比べれば騒音は随分改善されたが、恒常的な訓練施設が確保されておらず、天候によっては再び厚木基地が訓練場になる可能性がある」と述べ、日米両政府に恒常的な訓練施設の確保などを要請していく方針を示した。

© 株式会社神奈川新聞社