鷹島海底遺跡で調査始まり40年 「元寇サミット」開催

元寇ゆかりの3市が歴史を生かした地域づくりや交流促進に取り組むことを宣言した「元寇サミット」=松浦市文化会館

 鎌倉時代の蒙古襲来(元寇)の遺物が数多く出土している長崎県松浦市鷹島沖の「鷹島海底遺跡」で調査が始まって40年になるのを記念した「元寇サミット」が8日、同市志佐町の市文化会館で開かれた。元寇をテーマにしたトークショーや、元軍の侵攻を受けた松浦、対馬、壱岐の市長が歴史を生かした地域づくりなどで意見交換。今後、3市が連携して交流促進を図る「交流宣言」を発表した。
 県内や福岡、佐賀などから約350人が来場。トークショーでは文永の役(1274年)を描いた漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」の著者、たかぎ七彦さんと、長年にわたり同遺跡の調査に携わってきた池田榮史(よしふみ)・琉球大教授(水中考古学)、対馬市出身の佐伯弘次・九州大大学院教授(日本中世史)が登壇。たかぎさんが作品に込めた思いや世界観などを語り、池田、佐伯両教授が水中考古学や中世の歴史の視点から解説した。
 その後、友田吉泰・松浦市長、比田勝尚喜・対馬市長、白川博一・壱岐市長が対談。「交流宣言」に署名し、3市が連携して元寇の歴史を生かした地域づくりや観光資源などに活用し、国内外に発信していくことを決めた。
 会場には3市のPRブースが設けられ、松浦市内の菓子店が元軍の武器「てつほう」をイメージした新作菓子などの販売もあった。
 サミット後、友田市長は「3市で連携し、福岡市など元寇にゆかりのある国内外の自治体との交流拡大、3市を巡る観光ツアーの商品化などを働き掛けていきたい」と話した。

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