人気甘酒にミカン味誕生 神奈川・大磯産、キリッとする後味

大磯の新名産品として「大磯のみかんあまざけ」を手掛けた芦川店長(左)とたかしまさん

 地元産の米で造り、地元の商店だけで販売する「大磯のあまざけ」に新たに地元産のミカン味が誕生し、神奈川県大磯町内で10日から販売を開始した。甘酒は昨年末の発売から既に3千本以上が完売する人気ぶり。地元の農業支援と地域活性化を兼ねた新名産品に関係者は「ミカンとお米。大磯の味をダブルで味わって」と期待を寄せている。

 大磯の甘酒は町内で収穫されたキヌヒカリを使い、大分県内の蔵元が製造。米と米麹(こうじ)のみで造られるためアルコール分はなく、子どもからお年寄りまでおいしく飲めるのが特徴だ。ネット販売はせず、地元の10店舗のみで販売する。

 新たな地元名産品を作ろうと芦川酒店(同町大磯)の芦川博昭店長が呼び掛けて誕生した甘酒。米農家の需要を確保する狙いもあり、地元米店「戸塚正商店」が精米し、町内在住のイラストレーターのたかしまてつをさんがラベルのデザインを担当した。

 健康志向の高まりもあり、昨年12月の発売から今年10月までに3200本が完売。その人気に押され「ミカンは大磯を代表する果物。高齢化や後継者不足に苦しむ農家を応援したい」(芦川店長)と新商品を企画。ミカン味660本を含め甘酒1760本を再生産し、再販売した。

 ミカン味は町内の農園で育ったミカンの果汁を甘酒に加えて造った。柑橘(かんきつ)類の甘酒は全国的にも少ないといい、「飲んだ後にミカンの酸味でキリッとする。後味がいいので夏場にもいい」と芦川店長。来年3月にオープンする大磯港にぎわい交流施設「OISO CONNECT(オオイソ コネクト)」でも大磯産の商品として販売するという。

 たかしまさんは「町を歩くと『甘酒おいしいね』と声を掛けてもらえる。ミカン味も親しんでほしい」と期待を込める。芦川店長も「農家を支え、大磯の田園風景を残していきたい」と呼び掛けている。

 ミカン味は500ミリリットル入りで900円(税込み)。問い合わせは芦川酒店電話0463(61)0411。

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