被爆体験者第2陣 敗訴の16人 長崎地裁に再提訴

 被爆者健康手帳の交付を求め敗訴した長崎県の「被爆体験者」による第2陣訴訟の原告のうち16人が、同手帳や第1種健康診断受診者証の交付を県や長崎市に求め13日に長崎地裁へ提訴することが10日、分かった。
 原告161人が2011年に同手帳の交付を求めて提訴。一審で10人が勝訴したが、二審で全員敗訴し、昨年11月に最高裁で敗訴が確定した。今回の16人は今年7月に改めて同手帳の交付と、新たに同受診者証の交付を県や長崎市に申請したが、全て却下されていた。
 諫早市多良見町や長崎市などの第2陣原告らでつくる「多・長被爆体験者協議会」の山内武会長(77)は「被爆体験者も被爆者だ。戦い続ける」と語った。
 長崎原爆の爆心地から半径12キロ圏で、旧長崎市などの被爆地域に隣接する旧西彼長与、時津両村などが同受診者証の交付対象地域。それ以外の地域で原爆に遭った人は被爆体験者と呼ばれ、申請に基づき、第2種健康診断受診者証が交付される。
 がんなどの特定疾病があれば第1種は被爆者健康手帳に切り替わるが、第2種は切り替わらないなど援護に差がある。17年に最高裁で敗訴が確定した第1陣訴訟の原告のうち28人も長崎地裁に再提訴し、係争中。

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