スマホ婚活「ゆずれない条件」必須に 出会える相手が激減? 担当者「望まぬお見合い防ぐため」

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お見合い候補を検索する際に入力する「ゆずれない項目」

 独身男女のお見合いを仲介する、兵庫県運営の「ひょうご出会いサポートセンター」(神戸市中央区)が新たに導入したスマートフォンで相手を検索するシステムについて、「変更されて困っている」との声が神戸新聞社に寄せられた。検索の際、新たに「ゆずれない項目」の入力が必要となり、その項目にひっかかって表示される数が大幅に減ったという。県に事情を尋ねると「望まないお見合いを防ぎたいので…」と申し訳なさそうに説明を始めた。(金 旻革)

 同センターは今年7月、それまで県内と東京の計11拠点の専用パソコンでしかできなかったお見合い候補の検索が、スマートフォンでできる「スマホ婚活」をスタートさせた。だが、意見を寄せてくれた県内在住の会社員の中年男性は、新システムで「わずかな人数しか閲覧できなくなった」と不満を述べる。

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 主張はこうだ。今年6月までは拠点の専用端末で登録する女性約2千人分のプロフィルが自由に閲覧できた。顔写真や年齢、職業、婚姻歴、年収、子の有無、喫煙の有無、親との同居の可否などを確認し、相手を見定めてお見合いを申し込めた。だが、今回導入された「ゆずれない項目」で、閲覧可能な人数は200人弱まで減った-。

 この項目は、お見合い相手に特に求める条件を、多岐に及ぶプロフィルから最大三つまで選択。例えば「年齢は40代まで」「タバコは吸わない」を選んで検索すると、その条件に合致する人のみが抽出される。男女ともに入力が必要で、互いの“ゆずれない条件”が合致した組み合わせだけが表示される仕組みだ。

 男性は職場で出会いの機会が乏しく、約10年前に同センターに登録。月2、3回お見合いを申し込んだ時期もあったが、新システムではほとんど申し込んでいない。「数が少なくて、気になる相手に巡り会わない。一日でも早く結婚したくて必死なのに」

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 こうした声があることを、運営する県男女家庭課に伝えると「仕組みを変えたのは、希望にかなう人と早く出会えるようにするため」との答えが返ってきた。

 男性が言うように、スマホ婚活導入前は、男女ともに登録する利用者全員を閲覧できた。ただ、当時は各拠点に出向かなくてはならず、端末数も3、4台と少ないため利用は予約制で制限時間は45分。お見合い相手を探すだけで手間がかかる状態だったという。

 また、以前から出ていた利用者の「希望にそぐわない人のお見合い申し込みが困る」という意見も重視。喫煙者はNGとプロフィルに記したのに喫煙者から申し込まれ、「断るのが心苦しい」と戸惑う人も少なくなかったという。「ゆずれない項目を設けることで、お見合いを成立しやすくする狙いがある」と担当者。

 利用者がお見合いを申し込む件数は現在、月約2500件ある。スマホ婚活導入前と比べ月平均100件ほど増えたそう。県の担当者は「ゆずれない項目は価値観の変化などでその都度変わるため、検索時は毎回項目を変えられる。さまざまな条件で試してほしい」と話している。 【ひょうご出会いサポートセンター】兵庫県が2006年、神戸市中央区の県青少年本部に開設した。少子化へのてこ入れを目的にパーティー開催などで出会いの機会を提供。お見合いの仲介は10年に始め、19年度は男女計4176人が登録し、これまでに約900組が成婚した。

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 この記事は神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に寄せられた情報を基に取材しました。