線路内進入者救出し感謝状 浦賀署

 電車が走ってくる線路に酔って寝ている人を見つけ、救助して事故を防いだとして、浦賀署は9日、横須賀市の個人タクシー運転手小堀成秋さん(66)と妻の啓子さん(65)、桐蔭横浜大3年の中山航平さん(20)の3人に感謝状を贈った。

 1月30日午後11時ごろ、小堀さんが車でJR横須賀線の久里浜−衣笠間の踏切(同市内川1丁目)を通り掛かった際、踏切から5〜6メートル離れた線路で寝ていた男性を、同乗していた啓子さんが見つけた。小堀さんはすぐに降車したが、直後に踏切の警報が鳴りだし、遮断機が降り始め「向かって来る電車のライトが見えた」。

 小堀さんが緊急停止ボタンを押したため、電車は踏切の約100メートル手前で緊急停車。別の車を運転していた中山さんもこの間、周囲にいた人と連携して男性を線路の外に運び出し、間一髪で重大事故を防いだ。

 中山さんは父親が警察官で、卒業後は自身も同じ道を志すという。小堀さん夫妻とともに「助かってよかった」と声をそろえた。高橋幸治署長は「誰にでもできることではない」と感謝していた。

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