日銀新制度に好感も 横浜銀行・大矢頭取「統合、メリットなければやらない」

横浜銀行本店

 日銀が地方銀行の再編や収益力強化を後押しするために創設する新制度について、全国地方銀行協会(地銀協)会長で、横浜銀行の大矢恭好頭取は11日、「今の時代に合った政策で、ありがたい」と好感を示した。ただ「統合はそれ自体にメリットがなければやらない」とも述べ、横浜銀としては収益力強化によって優遇措置を受ける方向で取り組むことを明らかにした。

 日銀が10日発表した新制度は、2020~22年度の時限措置で、銀行が日銀に預けている当座預金の残高に年0.1%の上乗せ金利を支払い、事実上の補助金を出す。経営統合のほか、収益力強化や経費削減など一定の基準を満たした場合も対象となる。

 大矢頭取は、「0.1%の上乗せ」という政策効果について、「当座預金の規模や地域性など各行で置かれている状況が異なる。それぞれが総合的に考え、背中を押してもらえるものになるのか判断することになる」とした。横浜銀については「相応の当座預金を積んでいるため、経済的メリットは大きい」と話した。

 横浜銀は、東日本銀を含めたグループで、OHR(経費率)の低減や経費の削減によって条件を満たす方向で「チャレンジしたい」(大矢頭取)とした。

 経営統合については「統合は手段であって目的ではない。事業戦略が合致し、総合的にシナジー(相乗効果)が得られるのであれば、銀行だけでなく異業種でもあり得る」としつつも、現段階で具体的な統合案件はないと否定した。

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