米外交「バイデン政権で大転換へ」 藤崎元駐米大使が指摘

駐米大使時代に、当時副大統領だったバイデン氏(左)と握手を交わす藤崎氏=藤崎氏提供

 2020年米大統領選は、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)が、共和党のドナルド・トランプ大統領(74)との接戦の末、勝利を確実にした。今後の国際社会への影響に関心が集まる中、元駐米大使の藤崎一郎氏(73)=北鎌倉女子学園理事長=は「バイデン政権ではトランプ政権と外交政策が大きく変わる」と指摘する。

 「温かくて率直で、偉ぶらない。いろいろな人が話しやすいのではないか。何でも親切に耳を傾けてくれる人だ」。2008~12年に駐米大使を務めた藤崎氏は、バラク・オバマ政権(09~17年)で副大統領だったバイデン氏と直接会って話した印象をこう話す。藤崎氏が理事長を務める中曽根平和研究所(東京都港区)の応接室には、藤崎氏と握手を交わすバイデン氏の写真が飾られている。

 藤崎氏は「バイデン政権になったとしても米国の外交政策は変わらない」といった見方に対して懐疑的だ。民主党が採択した政策綱領などを見ればトランプ政権とは全く異なることが書いてあるとして、「がらっと変わる」と見ている。

 一方で「日米関係はそれほど変わらない」との見方も示す。在日米軍駐留経費のうち日米地位協定に規定のない日本側負担(思いやり予算)については、トランプ氏ほど高額ではなくても、増額は求めてくることを予想しているという。

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