コロナ禍でも、ざる菊楽しんで 地元住民ら県道沿いに植栽

バス停「がら瀬」付近の花壇でざる菊が見頃となっている=山北町

 県道沿いを通る人や車に楽しんでもらおうと、神奈川県山北町岸の県道74号沿いのバス停「がら瀬」付近の花壇でざる菊が見頃となっている。新型コロナウイルスの影響で毎年植えている花苗が手に入らなくなり、急きょ、ざる菊の登場となった。見頃は今月いっぱい。

 ざる菊を植えたのは近くに住む原博志さん(72)。原さんによると、県道74号のこの付近は「フラワーロード」と呼ばれ、県から6、11月ごろの年2回、サルビアやパンジーなど季節の花の苗を提供され、地元自治会で花壇に植栽していた。加入世帯の8、9割が参加する“イベント”だったが、今年は「植栽作業が密になる」という理由で花苗の提供はなかった。

 「何もない花壇は寂しい」と原さんは自宅の庭や近くの町道に毎年飾っているざる菊を植えることにした。地元住民ら少人数で約120メートルにわたって白や黄色、ピンクなどの9種250株を植栽。原さんは「みんな見て喜んでくれる。来年も花苗の提供がなかったら、また植えるしかないかな」と笑っていた。

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