長崎県内基準宅地評価額 12市町下落 回復基調にコロナ影響

 長崎県は11日、2021年度以降3年間の固定資産税算出の基準となる県内各市町の基準宅地評価額を発表した。離島部を中心に12市町で前回の17年を下回った。下落率が最も大きかったのは五島市の15.9%で、全21市町の平均はマイナス2.9%。県税務課は「評価額は近年、上昇傾向にあったが、コロナ禍による出店控えなどが影響した」と分析している。
 基準宅地は標準的な宅地のうち、市町での最高価格値で、評価額は3年ごとに改定される。
 3年前と比較した下落率が10%を超えたのは、五島市、北松小値賀町(マイナス15.6%)、壱岐市(マイナス13.1%)、新上五島町(マイナス11.6%)と離島勢が占める。
 一方、対馬市は上昇率が最も高く9.3%だった。同課は「対馬はインバウンド需要で高騰した後は下落傾向にある。離島は高齢化などの影響で需要が伸びにくい」としている。
 他に上昇率が高いのは西彼長与町(8.3%)、時津町(6.3%)、大村市(3.6%)、長崎市(3.4%)、佐世保市(0.2%)。利便性の向上や底値感で上昇傾向にあったが、コロナ禍による出店控えや先行きの不透明感から微増にとどまったという。
 価格調査の基準日は今年の1月1日で、それ以降に地価が下落した地点については7月1日時点に修正した。基準宅地の価格を基に来年3月31日までに全宅地の価格が決定する。

 


© 株式会社長崎新聞社