地域作業所にポップコーン店開設 伊勢原

オープンした「ジェリーズポップコーン・ドリーム伊勢原」で袋詰めなどを行う利用者=伊勢原市桜台

◆利用者が製造・販売 働くやりがい実感を

 知的障害者の就労支援などを行う神奈川県伊勢原市の地域作業所が12日、ポップコーンの製造・販売を始めた。ポップコーン作りに伴うさまざまな作業を経験してもらうことで、利用者のスキルアップや就労意欲の向上を進めるとともに、収入増による工賃財源の安定化を図る狙いがある。

 ポップコーンの製造・販売を開始したのは、社会福祉法人「伊勢原市手をつなぐ育成会」が運営する「地域作業所ドリーム」(同市桜台5丁目)。同会は1995年からドリームを運営。利用者は小型家電の分解などの軽作業に従事してきたが、同会は「ものづくりの工程や販売などを通じ、働くことの楽しさ、やりがいを実感してもらいたい」と、作業の多様化を模索してきた。

 そんな中、ポップコーンの製造・販売を行う「ジェリーズポップコーン」(福岡市)が、障害者の就労支援などを目的に全国で展開している「ポップコーン・福祉応援隊」に着目。ポップコーン製造や袋詰め、ラベル貼り、販売などの工程を経験できることから応援隊に参加することを決め、準備を進めてきた。

 同会によると、県内の社会福祉法人によるポップコーン店舗の開設は初めて。ドリームの食堂を改装してポップコーン製造の機器などを導入して工房にした。

 12日は、新装「ジェリーズポップコーン・ドリーム伊勢原」の店舗が公開され、10~40代の利用者が製造機器でポップコーン作りなどを行い、工房からはキャラメル味の香ばしい匂いが立ち込めた。袋詰めやラベル貼りなどの作業も手際よく進めた。

 同会で指導員を務める長尾拓哉さん(32)は「初の取り組みだが、利用者がやりがいを実感し、技能の向上につながればいい。軌道に乗れば工賃の増加も見込める」と話す。

 この日はジェリーズポップコーンの古賀洋之社長も店舗を訪れ、「利用者が販売にも携わることで、お客さまとのつながりを実感し、仕事の楽しさを知ってもらえれば」と期待した。

 ポップコーンはバターしょうゆ、カレーなど8種類の味を用意。営業は、平日の午前10時~午後4時半。

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