10月の旅行業の倒産、今年最多を記録

 10月の旅行業の倒産は6件で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。3月の5件を上回り、単月では今年最多となった。2020年1-10月の累計倒産件数は24件で、通年では2019年(1-12月)の25件を上回る可能性が高まった。
 負債総額は7億7,500万円で、2カ月ぶりに前年を上回った。負債総額1千万円以上5千万円未満が5件で全体の8割(構成比83.3%)を占め、小規模倒産を中心に推移した。
 原因別は全て「販売不振」で、形態別は全て破産だった。小規模事業者がジリ貧経営に苦しんだ末、事業継続が困難となるケースが多い。
 「新型コロナウイルス」感染拡大に影響を受けた旅行業の破たんは、10月末までに8件(弁護士一任や準備中の3件を含む)発生している。政府や自治体、金融機関の資金繰り支援策と「GoToトラベル」の効果が下支えしているが、感染再拡大の動向次第では、業界環境が一段と冷え込む恐れもある。また、GoToトラベルの終了時期も倒産動向に影響を与える可能性がある。

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